無垢材は、家のフローリングなどに使われる人気の素材です。肌触りが滑らかで森林の中にいるような木の香りが楽しめることから、ナチュラルな建材として好まれています。家の床や壁面に使われているのを目にしたことがある方も多いでしょう。
しかし、メンテナンスを怠ったり間違った塗装をしたりすると、無垢材が本来持っている良さを引き出せなくなってしまいます。無垢材を美しく保ちながら経年変化を味わい生活するためには、どのようなポイントに注意してメンテナンスをすれば良いのでしょうか。
本記事では、無垢材の特徴とその塗装タイプ3種類や無垢材におすすめの塗装、オイルやワックスの塗装方法から日常生活上のメンテナンス方法などを詳しく説明します。本記事を読んで無垢材に適した塗装方法について正しい知識を身につけましょう。
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そもそも無垢材とは?
無垢材とはどのような特徴がある木材なのでしょうか。
無垢材は、自然な木を切り出して接着などの化学製品による加工を加えていない木材のことを指します。素朴な木の質感やその見た目から、人の体や心にも害がない優しい素材として人気です。
一言で無垢材と言っても、さまざまな特徴を持つ樹種があります。ここでは、日本の建築の現場で良く使われている無垢材5種類を説明します。
- マツ(赤松・唐松):マツは、ナチュラルさが人気の無垢材です。施工当初は白っぽい色味で、馴染んでくるとツヤや色の変化が出てくるのが特長です。赤松は黄色味のある色、唐松は赤っぽい深みのある色へと変化します。木の節が多く、視覚的にあたたかみを感じやすいためシンプルな部屋にもよく合います。
- スギ:スギは、古くから日本の木造住宅で使われている人気の無垢材です。柔らかく触り心地が良いのでさまざまな加工やデザイン、設計に対応できます。スギのフローリングの上を素足で歩くと感触が良く、ハイハイをしたり転んだりしても安心なため小さい子どもがいる家庭にも人気です。和風テイストの家によく合う無垢材です。
- ヒノキ:ヒノキは日本で古来から親しまれている、特有の芳醇な香りを持つ人気の無垢材です。温泉などで「ヒノキ風呂」を見かけたことがある方も多いでしょう。
- クリ:クリは、耐湿性があり強度も高いことからキッチンや洗面台など水を扱うエリアに人気の無垢材です。木目がはっきりと出て、力強さを感じさせる見た目が特長で、市場では「チェスナット」とも呼ばれています。
- ナラ:ナラは、古くからウイスキーの樽や船舶に使われている無垢材です。耐久性・耐水性に優れており、その強度から家族の足元を支えるフローリングにも適しています。重厚感がある木目なので高級感があります。その見た目から、シックな部屋の内装に良く合います。市場では「オーク」とも呼ばれています。
無垢材のメリット
無垢材を使うメリットにはどのようなポイントがあるのでしょうか。家を建てる際に無垢材を使うメリットには、主に以下の3点があります。
- 木材本来の自然な質感や触り心地を楽しめる
- 経年変化による味わいがある
- 調湿作用があるため1年中快適に過ごせる
前述した通り、無垢材は自然の木を切り出した木材なので色や形、木目の模様など同じ物は一つとして存在しません。内装に使用すると、自然が持つナチュラルな美しさを味わうことができるでしょう。樹種によって香りの強さは異なりますが、まるで森林の中にいるような清々しい木の香りを楽しめるのもメリットの一つです。
また、無垢材は年月を経るとその色やツヤが変化して味わいが増します。家族の成長や思い出に無垢材の経年変化を反映して楽しめるのも大きなメリットでしょう。
さらに、自然素材の無垢材には「調湿作用」があります。調湿とは、木が水分を吸収したり放出したりしながら湿度を一定に保とうとする作用です。そのため、湿気の多い夏は無垢材が湿気を吸い快適な湿度へと導き、空気が乾燥している冬は無垢材が湿気を放出して乾燥を防いでくれます。自然素材の無垢材は、寒さの厳しい日に足元が底冷えしにくいのもメリットの一つです。
このように、無垢材には視覚・嗅覚的なメリットだけではなく、1年を通じて快適に過ごせる環境へと導いてくれるメリットがたくさんあります。
無垢材のデメリット
良い点がたくさんある無垢材ですが、デメリットにはどのような点があるのでしょうか。ここでは主に以下の2点を見ていきましょう。
- ひび割れや反り、隙間ができる可能性がある
- 傷が付きやすい
前述した通り、無垢材には水分を吸収したり放出したりする「調湿作用効」があります。この作用が起きる過程で、ひび割れや反りを起こしたり隙間ができたりする可能性があります。
特に、洗面所やお風呂場、キッチンなどの水回りは無垢材が膨張して反りやひび割れを起こす可能性が高まるため、濡れっぱなしにしないなどの工夫が必要でしょう。
しかし、無垢材は日本で古くから使われてきたため、先人の知恵や工夫からこのデメリットの対策ができます。例えば、しっかりと乾燥させてある無垢材を使用すればある程度の木材の反りを防げるでしょう。柱や梁など基礎の構造に使用する無垢材は、表から見えない場所に「背割り」と呼ばれる切れ目を入れておくとひび割れを防ぎやすくなります。
もう一つのデメリットの傷つきやすさは、樹種により程度が異なります。スギやマツなどの比較的柔らかい素材に硬い物を落とすと、へこんだり傷が付いたりしやすいでしょう。ペットがいる家庭では、犬や猫の爪痕が付くこともあるので注意が必要です。
しかし、こちらのデメリットも、無垢材の特性を生かせばある程度の修復が可能です。気になる部分に少量の水をつけると無垢材が水分を含んで膨らみ、小さな傷やへこみは気にならなくなるでしょう。
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無垢材の塗装タイプは大きく3種類
無垢材の塗装タイプは大きく分けて3種類に分類されます。ここでは、それぞれの特徴を説明します。
造膜タイプ
無垢材の塗装タイプの一つに、造膜タイプがあります。
造膜タイプは、表面に膜を作るウレタン塗料タイプの物です。コーティングが加わることで傷やシミが付きにくく、洗面所やお風呂場、キッチンなどの水回りにも使いやすい素材へと変化します。
基本的に再塗装が必要なく、日々の簡単なお手入れをすればきれいに保ちやすいでしょう。しかし、木の表面に塗膜ができるため木材本来のナチュラルな素材感は失われてしまいます。
浸透タイプ
無垢材の塗装タイプには、浸透タイプもあります。
浸透タイプは、無垢材にオイルやワックスなどの塗料を浸透させるタイプの物です。造膜タイプに比べると水や汚れに弱いですが、無垢材が持つナチュラルな素材感や肌触りの良さ、調湿作用を保つことができます。
生活環境により差はありますが、1年に1回を目安にして定期的な再塗装をすると風合いをきれいに保つことができます。
無塗装
無垢材の塗装タイプとして、素材そのままを楽しむ無塗装も選択肢の一つです。
無塗装の場合は表面にコーティングがないため、傷や汚れ、水分や食べこぼしなどがシミとして残りやすくなります。表面の汚れがひどい場合は、専門の業者にお願いして無垢材の表面を削り新しい面を出すことも可能です。
また、無垢材が無塗装のままだと、木材が持つ油分が薄れていき、ささくれやカサカサした肌触りへと変化してしまうので注意が必要です。
経年変化に任せて無垢材の変化を楽しめる方や、塗装をしたくない自然志向な方に向いています。
無垢材におすすめの塗装タイプは?
ここまで無垢材の塗装タイプを見てきましたが、無垢材の本来の調湿作用や肌触りを重視するなら「浸透タイプ」か「無塗装」がおすすめです。
しかし、無塗装は前述した通り傷や汚れになりやすく、年月が経つとシミや黒ずみが目立ちやすくなります。また、無垢材の油分がなくなるとカサカサした質感になり、触り心地にも影響が出てしまうでしょう。
最近では植物ベースの原料を使った自然派オイルやワックス塗料なども多く販売されているため、無垢材を長く美しく使うためにも、浸透タイプの自然派塗料を使ったメンテナンスの検討をおすすめします。
浸透タイプのオイルとワックスの違いは?
ここからは、無垢材の持つナチュラルな良さを活かせる「浸透タイプ」の「オイル塗装」と「ワックス塗装」を見ていきましょう。それぞれにどのような特徴があるのでしょうか。
オイル塗装の特徴
オイル塗装は、無垢材に適度な油分を与えてより美しく長持ちさせることができます。
オイルベースの塗料は無垢材への浸透率が高く、木材特有の色をはっきりと出せるのも魅力の一つでしょう。塗装後も無垢材の持つ調湿作用を生かせるため、湿度が一定に保たれた快適な生活をサポートしてくれます。
近年では、石油由来の原料を使わずに植物ベースのオイルを使った自然派塗料も人気です。植物ベースのオイルの原料として、亜麻仁油、大豆油、ヒマワリ油、アザミ油、オレンジピールオイルなどが挙げられます。
関連記事:オイル塗装とウレタン塗装の違いは?選ぶ際に見るべきポイント
ワックス塗装の特徴
ワックス塗料は、無垢材の表面を蝋でコーティングするため防水効果を強化できます。
ワックス塗装をすると無垢材を汚れから守りやすくなりますが、塗装面が滑りやすくなるため小さい子どもがいる家庭で使用する際は注意が必要です。
ワックス塗料にも植物ベースの原料が使われている製品が多くあるため、自然派の方は素材にこだわって選ぶと良いでしょう。
無垢材にオイル・ワックスで塗装する手順
無垢材のフローリングにオイルやワックスの塗装をする際、どのような手順で作業を行えば良いのでしょうか。ここでは、塗装の際に用意するアイテムと手順を4つのステップに分けて紹介します。
用意するもの
無垢材のフローリングにオイルやワックスで塗装をする際、下記の物を用意しておくと作業がスムーズです。近所のホームセンターやオンラインで手に入るので揃えておきましょう。
- 塗装用のオイル・ワックス塗料
- ビニール手袋
- マスキングテープ
- 紙やすり(サンドペーパー)
- 電動サンダー
- 防塵マスク
- 綿素材の柔らかい布(ウエス)や刷毛
- 綿素材の柔らかい布(ウエス)
1.下準備をする
まずは下準備をします。
無垢材にささくれや傷などがある場合、電動サンダーやサンドペーパーをかけて表面を平らにしておきます。作業中は細かい木屑が舞うため、防塵マスクをつけておくと安心です。
無垢材の表面をきれいに磨けたら掃除機をかけて木屑を取り除いて乾拭きをします。フローリングを塗装する際、壁に塗料が付かないようにマスキングテープを貼って汚れをブロックしましょう。
2.塗装をする
次に塗装に入ります。
塗装をする部屋の奥から手前に向かって作業を進め、足場を残しながら丁寧に塗り進めていきましょう。
この時、オイルやワックス塗料を刷毛や布に染み込ませてからフローリングに伸ばしていきます。木目に沿ってムラが出ないように気をつけながら作業を進めながら塗るときれいに仕上がりやすいでしょう。
3.拭き上げ、乾燥
塗装が終わったら、拭き上げをして乾燥させます。
塗装が終わって5〜10分ほど乾燥させたら、綿素材の柔らかい布で優しく拭き上げましょう。この作業を入れることで、余分なオイルやワックスを吸収して、ベタつきや色ムラを防ぎやすくなります。
4.2度目の塗装をする
1回目の塗料が乾燥したことを確認したら、2回目の塗装をしましょう。
手順は前述した1回目と同じです。塗装時の天候や気温、材質や塗料によって乾燥時間が異なるため、塗料の乾燥具合を確認しながら行いましょう。
完全に乾燥したら、最後にゆっくりとマスキングテープを剥がして完成です。
無垢材の日常のメンテナンス方法
日常生活の中で無垢材のメンテナンスを行うには、どのような方法で行うと効果的なのでしょうか。ここでは、無垢材の良さを長く楽しむために効果的なメンテナンス方法を3つ紹介します。
掃除機・乾拭き
無垢材の日常のメンテナンス方法の一つは掃除機や乾拭きです。
毎日の基本的なお手入れはこの2つの方法で十分です。特に汚れが目立つなと感じてきたら、後述するお手入れ方法を足して対応しましょう。
水拭き
無垢材の日常的なメンテナンス方法の一つに、水拭きも含まれます。
無垢材は基本的に水に弱いため、1〜3カ月に1回のペースを目安にして水拭きを行いましょう。雑巾を硬く絞って余分な水分を与えないように注意するのがコツです。
万が一床にジュースや水をこぼしてしまった場合は、無垢材に染み込む前に素早く拭き取り、長時間放置しないようにしましょう。
クリーナー
クリーナーを使用するのもメンテナンス方法の一つです。
大掃除の際など、半年〜1年に1回くらいの頻度を目安にしてクリーナーでメンテナンスを行います。
無垢材に適したクリーナーを選ぶように注意し、水で薄めたクリーナーの液に雑巾を浸し、硬く絞ってから優しく拭き上げましょう。
まとめ
本記事では、無垢材の特徴とその塗装タイプ3種類や無垢材におすすめの塗装、オイルやワックスでの塗装方法から日常生活上のメンテナンス方法などを説明しました。
無垢材の特徴を理解してニーズに合った塗装方法を選んでみてください。また、メンテナンスの際はご紹介して方法を参考にして、無垢材の良さを長く楽しめるようにしましょう。
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オスモカラーは自然由来の成分を主体とした塗料で、主にひまわり油、大豆油、アザミ油などの植物油と植物ワックスをベースとしています。ISO9001認定を受けた工場で、廃液を出さないように植物油の精製から全て自社で製造・管理しているので、小さい子どもがいる家の床でもご使用いただけます。オスモカラーには、床用(フロアークリアー)やテーブル用(カウンタートップオイル)など用途にあわせて専用の塗料があり、撥水性や保護性能が高く、水拭きもでき、専用のメンテナンス製品でのお手入れも簡単です。
マイホームを建てる予定のある方や、自然派の塗装を探している方は、植物ベースで作られたオスモカラーで塗装し、オスモ専用メンテナンス製品でのお手入れをご検討ください。
また、オスモ&エーデルでは、オスモカラー塗装済みのフローリングのご用意もございます。こちらもあわせてご検討ください。
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