「無垢フローリングを採用したい」「DIYで棚を作った」という際に、塗装を施すと美しく仕上げられるばかりか耐久性・機能性もアップさせられます。
とはいえ、木材塗装の経験がないと適切なやり方がわからず、塗料の種類も多くどれを選ぶべきか困ってしまうでしょう。
そこで本記事では、木材塗装のやり方を初心者にもわかりやすく解説します。誰でも上手に塗装できるコツも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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木材塗装とは?
木材塗装とは、木材の表面に塗料を塗ることで、木材を保護し、デザイン性・耐久性・機能性などを高める効果があります。
一見、丈夫そうに見える木材ですが、そのままの状態では長持ちしにくく、水や汚れ、紫外線などの影響で劣化していきます。塗料でコーティングを施すことで、美しい状態のまま長持ちさせることが可能です。
木材の塗装は、刷毛やローラーなど道具さえあれば比較的簡単に行えるため、DIY初心者でも実施しやすい作業です。無垢フローリングの塗装や自作家具の仕上げ、修繕など、幅広い場面で役立ちます。
木材塗装はなぜ行う?
木材に塗装を施す目的は、大きく3つあります。
● 木材の見た目を良くしたい
● 木材を長持ちさせたい
● 木材の機能性をアップさせたい
単に見た目を整えるだけでなく、木材を保護し、耐久性や機能性を上げて長く使うために欠かせない工夫です。それぞれ順番に解説します。
関連記事:木材の基本知識と種類、特徴を徹底解説!
木材の見た目を良くしたい
木材に塗装を施すことで、より美しい見た目に仕上げられます。本来とは違う色を塗装するだけでなく、ツヤや質感を高めることで木材の持つ美しさを引き出すこともできます。
例えば、ツヤを出して木目の美しさを引き立てたり、新品の木材をあえてアンティーク風に仕上げたりと、自分の好みや周りのインテリアに合わせたデザインに生まれ変わらせることが可能です。
他にも、木材の種類が違ったり、同じ木材でも使用部分が違ったりして色味にバラツキがある際に、塗装である程度均一にして統一感を高めることもできます。
木材を長持ちさせたい
塗装は、木材を長持ちさせるためにも有効です。木材は無塗装のそのままの状態で放置しておくと、いずれ劣化していきます。
木材を劣化させる要因として、主に以下のようなものが挙げられます。
● 紫外線
● 湿度や雨風
● シロアリなどの昆虫
塗装を施すことで、耐水性や耐久性をアップさせることができ、美しい状態を長期間にわたり維持しやすくなります。特に野外で風雨に晒されるウッドデッキや、窓からの直射日光が当たる家具などは、塗装による耐久性向上が欠かせません。
木材の機能性をアップさせたい
木材の機能性をアップさせられるのも、塗装のメリットです。塗装で木材の表面がコーティングされることで、汚れが付きにくくなり簡単に掃除しやすくなります。
例えば、フローリングやデスクなどは、手垢が付いたり食べ物や飲み物をこぼしたりと、汚してしまいやすいものですが、防汚効果のある塗装を施せば汚れが染み込まず拭き取りやすくなります。
また、階段やウッドデッキなどであれば、滑り止め機能のある塗料を塗ることで安全性をアップさせることも可能です。
木材塗装に必要な物
木材の塗装には、下記のようなものが必要となります。
● 塗料
● ブラシ(刷毛もしくはローラー)
● マスキングテープ
● 紙やすり(#120番・#240番)
● 塗料を入れる容器(バケツ・トレイなど)
● 手袋・エプロンなど
塗料を塗るためのブラシが必要で、基本的には刷毛(はけ)を使用しますが、ウッドデッキのような広範囲を塗装する場合はローラーを使用すると便利です。
マスキングテープで事前に保護しておくと、関係のないものや塗りたくない部分まで塗料が付くのを防げるので必ず準備しておきましょう。同時に手や服が汚れないように、手袋・エプロンなどで保護することも大切です。
また、塗料が木材に密着するように、表面を磨く紙やすりも必要で、#120番・#240番と粗さの違う2つを用意しておくとよりきれいに仕上げられます。
木材に使える塗料のタイプ
木材塗装に使う塗料は、大きく「浸透タイプ」と「造膜タイプ」の2種類あります。
それぞれ特性や仕上がりが異なるため、どのような木材に使用するかによって、適切な塗料を使い分けることが大切です。それぞれの特徴を解説するので、あなたに合った塗料はどちらか確認してみましょう。
関連記事:木材保護塗料の選び方と使い方 木材を美しく長持ちさせるための木材塗装の考え方とは。
浸透タイプ
浸透タイプの塗料は、木材内部に染み込み、木目を活かした美しい仕上がりになるのが特徴です。ステイン塗料とも呼ばれ、テーブルやデスクなど家具によく使用されます。
木目の手触りや風合いを残しつつ木材を保護できるのがメリットで、木材が持つ美しさを最大限引き出せるため、安価な木材でも高級感のある仕上がりになります。
ただし、傷や汚れに弱く、色移りしやすいのがデメリットです。表面を覆う塗膜がないため、傷や汚れが付きやすいのが難点です。小さい子供やペットがいる家庭だと、扱いにくいかもしれません。
また、水性と油性の2つがあり、それぞれ下記のような違いがあります。
メリット |
デメリット |
|
水性 |
● 臭いが少ない ● 乾きやすい |
● 塗りムラが出やすい |
油性 |
● ツヤが出やすい ● 塗りムラが出にくい |
● 臭いが強い ● 乾きにくい |
室内での塗装する場合は、臭いが少なく速乾性の高い水性塗料がおすすめです。対して仕上がりにこだわるのであれば、塗りムラの出にくい油性塗料が適しています。
造膜タイプ
造膜タイプの塗料は、表面に塗膜を形成することで、汚れや劣化に強いのが特徴です。
木材をコーティングすることで汚れや紫外線、湿気、雨風の影響を受けにくくなり、耐久性が向上するため、長く愛用できるようになるのがメリットです。
一方で、塗膜ができてしまうことで木目が隠れるのがデメリットです。木材らしい風合いや質感が失われてしまうので、自然素材ならではの味わいを重視する方には不向きです。
造膜タイプにも水性・油性があり、浸透タイプと同じく、油性は耐久性が高く塗りムラが出にくく、水性は乾きやすく臭いが少ないため室内作業に適しています。
木材塗装の手順
木材を塗装する際の手順は、6つのステップに分かれます。
1. 周囲を養生する
2. やすりで磨く
3. 道具の下準備をする
4. 一度塗りして乾かす
5. 再びやすりで磨く
6. 二度塗りして乾かす
それぞれ、どのような作業を行うか解説します。
関連記事:木材塗装に適したペンキ・塗料の塗り方は?道具の選び方や塗装時の注意点などをご紹介
1.周囲を養生する
まずは周囲や塗りたくない箇所に塗料がつかないように、マスキングテープや新聞紙などで養生しましょう。
小物の養生であればマスキングテープだけで問題ありませんが、大きなものに塗装を施す場合は、ビニールシートに養生テープが付いた「マスカー」の使用がおすすめです。広範囲を素早く覆えるので、すぐに塗装作業へ移れます。
また、マスキングテープを貼った部分だけ色がつかないことを利用して、図形・文字などを浮かび上がらせることも可能です。
2.やすりで磨く
マスキングができたら、紙やすりで木材の表面を滑らかにしましょう。表面を平らにすることで塗料が塗りやすくなるのと同時に、軽く傷付くことで塗料が染み込みやすくなり、均一に仕上げられます。
紙やすりには番号があり、低いほど目が粗く、高いほど目が細かくなっています。一般的には、まずは粗い120番で削り、仕上げに240番で削るときれいに仕上がるためおすすめです。使用する塗料や塗装する箇所によっておすすめの番手も異なるので、使用する塗料メーカーの推奨のものを選ぶようにしてください。
削る面積が広い場合は、紙やすりの上から木材の切れ端などで押さえると、力を均等に加えやすくなり、満遍なく均一に研磨できます。
仕上げに付着した木くずをふき取りきれいにします。
3.道具の下準備をする
塗装する準備が整ったら、使用する道具の下準備を進めます。
刷毛(はけ)の準備
塗装中に刷毛から抜け毛が出ると、毛がくっつき仕上がりが汚くなってしまうため、あらかじめ処理しておきましょう。
両手の平で刷毛を挟んで、転がして回したり片手でしごいたりして抜け毛を払います。仕上げに、紙やすりで刷毛を軽く撫でましょう。
毛払いした刷毛で、塗装したい木材のホコリを払っておくと、きれいに仕上がりやすくなります。
塗料の準備
塗料はよく振って、棒でかき混ぜるなどして、しっかりと混ぜ合わせましょう。必要な分だけをトレーなどの容器に出します。
塗料によって、少し固くて塗りづらい場合は、水や専用の薄め液で希釈してから使用します。
一度塗りして乾かす
準備ができたら木材を塗装していきます。まずは色の確認と練習を兼ねて、目立たない所から塗り始めるのがポイントです。木目の方向に沿って塗ると、木の質感が引き立ち自然に仕上がります。
大量の塗料が付いた刷毛で塗装すると、乾くまで時間がかかりやすくなり色ムラの原因にもなるため、容器のフチで余計な塗料を落としましょう。
刷毛の柄の中心当たりを軽く握ると、力が入り過ぎず軽やかに塗装できます。広い面・長い面は刷毛を横にし、隅・角は縦に塗るのがおすすめです。
また、なるべくストロークを長くすると刷毛の跡が残りにくく、美しい仕上がりになります。
再びやすりで磨く
使用する塗料によって必要に応じて、一度目の塗りが完全に乾いたら、再度紙やすりで研磨します。最初のやすりがけで残った毛羽立ちを削り、滑らかに仕上がります。
2回目も120番から削り、240番で仕上げましょう。研磨後の木くずは、雑巾・タオルで拭き取ります。
※塗料によっては、この中間研磨が必要ない場合もありますので、確認してください
二度塗りして乾かす
研磨が終わったら、1回目と同様に塗料のつけ過ぎに注意して塗ります。塗装を2回施すことで、色の濃さが均一になり美しい仕上がりになります。
隅々まで塗装したら、しっかりと乾燥させれば完成です。角や端に塗料が溜まらないよう注意しましょう。
DIY初心者でも上手に木材塗装するコツ
初めてのDIYの場合「なんだか難しそう」と思われるかもしれませんが、コツを押さえておけば、初心者でも上手に塗装を施せます。
● 適切な塗料と道具をそろえる
● 下地処理を怠らない
上記2つのコツを解説します。
適切な塗料と道具をそろえる
理想の仕上がりに合わせて、適切な塗料と道具をそろえることが大切です。
塗料を選ぶ際は、木目を残したいなら浸透タイプを、素材の耐久性を高めたいのであれば造膜タイプを選びましょう。特に屋外で使用するものや日当たりの良い部屋に置くものには、耐久性の高い造膜タイプが適しています。
木材の用途に合った塗料を選ばなくては、せっかく塗ってもすぐ傷や染みが目立ってしまったり、色褪せができたりして美しさを損なうかもしれません。
また、塗料だけでなく、塗装に使用する道具も重要です。一口に刷毛といっても多様な種類があり、下記のように使い分けましょう。
刷毛の形の一例
● 筋交い刷毛(すじかいばけ):斜めの取っ手が特徴。壁やウッドフェンスのような垂直な箇所への塗装に適している
● 平刷毛・ベタ刷毛:T字型の取っ手が特徴。平らで広い面の塗装に適している
毛の素材
● 動物の毛:馬毛、豚毛、山羊毛などがある、油性塗料に適している、人口毛と混合のものもある
● 人工毛:化学繊維が多く毛質はやわらかめ、水性塗料に適している
木材の用途や使用する環境などに応じて適切な塗料・道具を選ぶことで、作業がしやすくなり美しく仕上がります。
下地処理を怠らない
塗装前の下地処理を怠らないことも大切です。
やすりがけのような下地処理を十分にしてから塗装すると、塗料がのりやすくきれいに仕上がります。反対に下地処理が不十分だと、どれだけ丁寧に塗ってもきれいに塗装できません。
また、木材表面の木くずやホコリを取り除くことも大切です。塗料が均一に広がり、美しく仕上がります。
下地処理を丁寧に行うことで、塗装の仕上がりや木材の耐久性の向上につながります。
まとめ
木材の塗装は、木材の美しさや質感を引き出すと同時に、耐久性を高め紫外線や湿気、汚れなどから保護する役割があります。
塗装のやり方に複雑な手順はなく、木材の用途や使用環境などに合わせた塗料・道具を用意して、基本的には今回紹介した手順で行えば初心者でも上手に塗ることができます。
とはいえ、塗料の種類は多くどの塗料が適しているのか悩むかもしれません。無垢材の床や家具、デッキなどを塗装したい場合は、木材保護塗料オスモカラーがおすすめです。
オスモカラーの塗り方はこちらの動画をご参照ください。
オスモカラーは自然由来の成分を主体とした塗料で、主にひまわり油、大豆油、アザミ油などの植物油と植物ワックスをベースとしています。
木材の呼吸を妨げないため、木材が持つ調湿効果や無垢材ならではの手触りや表情を損なわずに、木材が持つ美しさを引き出せます。気軽にお試しいただける「オスモカラーお試し用塗料セット」もご用意しています。木の質感を生かした塗料をお探しの方は、オスモ&エーデルへお気軽にご相談ください。