寒い季節は部屋をポカポカ暖めてくれる気持ちのいい西日ですが、暑い季節になると悩みの種となっている方も多いようです。
また、夏の西日はただ暑いだけでなく、部屋やインテリアにまで悪影響を及ぼしてしまうため対策が欠かせません。
そこで本記事では、西日対策が必要になる理由や具体的な対策法についてまとめました。 すでに悩んでいる方も、これから住宅を建てるという方も、1年中快適に過ごすための効果的な方法を知っておきましょう。

西日対策が必要な理由

冬場はあまり気にならなかった西向きの部屋も、暑い季節が近付くと強烈な西日を受けるようになります。
西日を直接受けることで部屋や住んでいる人にさまざまな影響が及ぶため、西日対策が欠かせません。
ここでは、西日対策が必要になる理由について詳しくご紹介していきます。

エアコンの電気代が高くなる

西日対策が必要な理由として一番に挙げられるのが、エアコンの電気代です。
西日が直接当たる部屋は熱がこもりやすく、とくに真夏は他の部屋に比べると室内の温度がかなり上昇します。
日中の気温で暖められたところに、夕方にかけて日が差し込むことで、室内の温度が40度近くになることも珍しくありません。
そうなると、エアコンで室内温度を適温まで下げるために大きなエネルギーが必要となり、必然的に電気代が高くなってしまうのです。
そんな中、電気代を心配してエアコンを使わずにいた結果、脱水や熱中症を起こしてしまったというケースもあります。
夏場はエアコンを使用するという前提でしっかりと西日対策を行うことで、費用面も抑えることができます。

床や壁が劣化する

西日が当たる部屋は、当たらない部屋に比べると日照時間が長く、その分紫外線によるダメージも大きくなります。
床や壁も人間と同じように日焼けして、劣化が進んでしまうのです。
フローリングが色褪せてしまったり、壁紙が黄ばんでしまったり、場合によっては接着剤が劣化してクロスが剥がれてきてしまうケースもあります。
また、その部屋に設置している家具や雑貨にも同じことが言えます。
せっかく気に入って購入したのに、気付かないうちに色が抜けてしまい、挙句の果てには乾燥してひびが入ってしまうといったトラブルが少なくありません。
そういった事態を防ぐためにも、西日対策は必要と言えるでしょう。

テレビが見にくい

西日の日差しはとても強いため、窓の位置やテレビの向きによっては日が当たって非常に見にくいと感じることがあります。
カーテンやブラインドを設置していない場合はとくに光が反射しやすくなり、かと言って常にカーテンを閉めておくというのも、1日中部屋が暗くなってしまうため得策とは言えないでしょう。
では、テレビに日が当たらないように設置すればいいか、と言えばそうでもありません。 窓を背にテレビを設置すると逆光になる上、今度はテレビを見ているこちら側に日が当たって見づらくなります。
このように、西日が当たる部屋はテレビを設置するのにもひと工夫が必要です。

部屋が暑苦しく感じる

「西日が入る部屋は暑い」というのはよく耳にする話ですが、ただ直接的に西日が当たる時間帯だけ暑いというわけではありません。
日の出から暑さのピークとなる14時頃にかけて、地面や空気、住宅の屋根や外壁、室内が徐々に暖められますが、それらから発せられる熱を「輻射熱(ふくしゃねつ)」と呼んでいます。
人間は、この輻射熱によって自身の身体から熱を発することで「暑さ」を感じると言われています。
その輻射熱が部屋にこもった状態で西日が当たると、部屋の空気がさらに暖められて、他の部屋に比べるとむせかえるような暑苦しさを感じることがあるのです。

西日対策を選ぶポイント

西日による影響を最小限に抑えるためには、しっかりと対策することが大切です。
西日対策にはいくつかポイントがあり、それらをうまく取り入れることで西日が当たる部屋でも快適に過ごすことができます。
それぞれ異なる特徴があるため、1つずつ詳しく見ていきましょう。

遮光

遮光とは、文字の通り「光を遮ること」です。
西日が当たる部屋をとくに暑いと感じる理由は、日の出から昼過ぎにかけて輻射熱が発生し、それらがこもった状態の部屋に西日が差し込むためです。
仕事や学校で朝から留守にする際は、しっかりと遮光しておくことで、帰宅時の異常な暑さを軽減させることができます。
気温の上昇を抑えることで、冷房効率も大きく変わってくるでしょう。
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また、遮光は外からの光を遮るだけでなく、中の光が外に漏れるのを遮ってくれる効果もあります。
一人暮らしで生活パターンを知られたくないという人や、昼間に睡眠をとりたいという人にもおすすめです。

遮熱

遮熱とは、簡単に言うと太陽の光を反射して遮ることです。
また、輻射熱が室内に侵入するのを防ぐ役割もあります。
光や熱を遮ってくれるため、西日が直接当たったとしても室内の温度が上がりにくくなります。

似たことばに「断熱」があります。 こちらは外気が部屋の内部に伝わらないように、あるいは反対に室内の温度が外へ逃げないようにする機能のことで、遮熱とは区別されます。

夏の西日対策として遮熱は非常に効果的ですが、同時に冬場も暖かい日差しが入らなくなってしまうことを理解しておく必要があります。

利便性

西日対策には、利便性も欠かせません。
「西日対策が必要なのは夏場だけ」というパターンは少なくありません。
むしろ、部屋が冷え込む冬場は太陽の光を積極的に取り入れたいものです。
そのため、手間がかからず、使いたい時だけすぐに使えるということがポイントとなります。

「グリーンカーテンを作ったけど手入れが面倒」「使うたびに脚立が必要」などといった状況にならないよう、使い勝手のいいものを選んで長く使用しましょう。

室内の西日対策

西日の日差しを和らげる対策には「室内用」と「屋外用」があります。
基本的に室内用のアイテムは屋外用に比べると小型で、手軽に開閉や取り外しができるのがメリットです。
まずは、室内で有効な西日対策について1つずつ見ていきましょう。

カーテン・ブラインドを設置

西日対策として最もポピュラーなのが、カーテンやブラインドの設置です。
カーテンの場合は、遮光レベル2〜3であれば十分に外からの光を遮ることができます。
ただし、昼間も部屋が暗くなってしまうというデメリットはあります。
昼間でも完全に真っ暗な状態を保ちたい、という方は遮光レベル1、かつできるだけ厚手で濃い色のカーテンを選ぶといいでしょう。

一方、ある程度西日を遮りながらも明かりは取り入れたいという場合は、角度の微調整ができるブラインドがおすすめです。
窓を開けておけば、風を取り込むことも可能です。 ただし、ブラインドは手入れが面倒だと感じる人も少なくないようです。
羽の間にほこりが溜まりやすいため、日頃からこまめに拭くようにするとそこまで気にならないでしょう。

ガラスフィルムを設置

ガラスの室内側に専用のフィルムを貼り付けることで、西日の影響を抑えることができます。
ホームセンターやインターネットなどで手軽に手に入り、自分で簡単に設置できるのがメリットです。
また、おしゃれな模様が描かれたものや、防犯や災害時のガラス飛散を防止するものなど、バリエーションが豊富なのも魅力です。
遮光や遮熱、UVカットなど性能にも違いがあるので、目的に合ったものを選びましょう。

西日対策にガラスフィルムを採用している住宅では、遮熱に加えて目隠し対策として設置したというケースも多くあります。
とくに住宅街では、隣家の窓が近かったり、目の前の道路から部屋が丸見えだったりすると、どうしてもカーテンを閉め切って生活をすることになります。
しかしモザイクタイプやすりガラスタイプのフィルムを選ぶことで、部屋の明るさをキープしながら人の視線を気にせず過ごすことが可能になります。

ガラスフィルムはしっかりと貼り付けられる「粘着タイプ」と、失敗しても貼り直しができる「吸着タイプ」が販売されています。
一般的に粘着タイプの方が機能性が高く種類も豊富ですが、貼り直しができないため、初めての人にはハードルが高いかもしれません。
気泡などが入ってしまうと外からの見栄えも悪くなるため、不安がある場合は専門業者に依頼した方が安心です。
吸着タイプは厚みがあり、機能面では粘着タイプに劣りますが、納得がいくまで何度でも貼り直すことができます。
「夏場だけ使いたい」という人にもおすすめです。

遮熱ガラスを設置

既存の窓ガラスを、遮熱性能のあるガラスに交換する方法もあります。
他の方法に比べると少し大掛かりにはなりますが、手間がなく、部屋の明るさを保ったまま日差しを和らげることが可能です。

遮熱ガラスには、UVカット機能や断熱機能が備わっているものもあります。
「絶対に日に焼けない」とは言い切れませんが、人の肌へのダメージはもちろん、壁紙や家具などへの影響も大幅に抑えることが可能です。

室外の西日対策

次に、屋外に設置する場合の西日対策についてご紹介します。
家の外から西日の侵入を防ぐことで、室内に熱気がこもるのを防ぐことができます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

すだれを設置

西日だけでなく、夏の暑さ対策として昔から使われてきたものと言えばすだれです。
窓の外側に設置することで、カーテンのように室内で遮熱するよりも、約3倍も効果があると言われています。
ホームセンターなどで手軽に購入でき、大きめのものを購入しても安価なのが魅力です。 また、上部を引っかけるだけで設置できるため場所を取らず、マンションなどでも設置が可能です。

ただ、デメリットとして、最近の住宅にはデザインが合わないことが珍しくありません。
「夏場だけ」と考えればそこまで気になりませんが、外観を重視する方には不向きです。

シェードを設置

屋外用の西日対策として人気があるのが日よけシェードです。
キャンプで使用するタープのように、窓の上から地面の方へ斜めに設置します。
日陰になる範囲が広いため、大きな窓がある部屋でも全体をカバーできます。

場所を取るため、ある程度広さのあるウッドデッキや庭が必要になりますが、シェードの下にイスを並べて夕涼みをしたり、ビニールプールを出して子どもたちを遊ばせたりすることも可能です。

外付けのブラインドを設置

ヨーロッパで日差し対策の主流となっている外付けブラインドは、最近の住宅デザインにもぴったりです。
すだれと同じように、室内にブラインドを設置するよりもはるかに高い遮熱効果が得られます。
使い方としては室内ブラインドと大差なく、より西日の日差しを回避しながら明るさや風を取り入れることが可能です。
通常は手動ですが、最近はボタン1つで開閉ができる電動モデルも販売されています。
確かに室内ブラインドに比べると費用がかかりますが、室内のカーテンが必要なく、エアコン効率がよくなる分電気代も安くなるので、選択肢の1つとして考える人が増えています。
とはいえ、まだ実際に採用している住宅は多くないため、イメージしにくいという人は展示場やモデルハウスに見学に行くことをおすすめします。

目的に合ったアイテムを設置して西日の暑さを回避しよう

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、西日による影響や具体的な対策法についてご理解いただけたと思います。
夏場に西日が当たると非常に暑いですが、冬場は部屋を暖めてくれる役割もあるため、完全に西日を防いでしまうのはもったいないですよね。
そんな方のために、遮光や遮熱が手軽にできるアイテムが多く販売されています。
それぞれの住宅や窓のタイプに合ったものを選びましょう。