今年の夏に訪問したドイツの住宅展示場と実際にドイツの方が暮らしている住宅についてご紹介します。
まず訪れたのは、ドイツ北西部に位置するミュンスター近郊の町・オストベヴェルン。
ここに、ドイツで今とても人気があるハウスメーカー・viebrockhaus(フィーブロックハウス)社のモデルハウス展示場があり、数種類のモデル住宅を見ることが出来ます。
ファミリー向け2階建タイプ。勾配屋根タイプが主流です。
煉瓦の壁と急勾配の屋根がかわいいクラシックなタイプもあります。
こちらは平屋タイプ。
太陽光パネル、トリプルガラスの樹脂サッシ、外付けブラインドが見えます。
(同社カタログより、壁の構成図)
同社の住宅は木造ではなく礎石ブロック造で、ロックウールの断熱層を煉瓦とブロックでサンドした二重壁外断熱です。
独自の工法により工期を短縮し、着工から完成までわずか3ヶ月で、省エネ性能の高い質のよい住宅を建設しています。
環境先進国といわれるドイツでは住宅に「パッシブハウス」という高い省エネ性能基準があります。
こちらのモデルハウスでも気になるのはやはり省エネ関係の設備です。
(同社カタログより、設備イメージ図)
・庭に埋設した配管により地中熱を利用したヒートポンプ式床暖房による全館暖房
・換気は熱ロスの少ない熱交換型
・大きな窓は樹脂サッシにトリプルガラスで高断熱仕様
・さらに夏の日射をコントロールする外付けブラインド付き
・勾配屋根には太陽光発電パネルを搭載
高性能モデルでは住宅性能を掲示していました。
間取りもドイツの家らしいもので、間仕切のない大きなLDKに、いくつかのベッドルームとバスルーム、そして家事室という構成です。
緩やかにコーナーわけがされた大きなLDK。
モダンなインテリア。
アクセントカラーのイエローで全体を統一。
明るく広いバスルーム。
窓辺に軽いプリーツブラインド。
家事室は、洗濯室と倉庫と設備機械室とを兼ねた機能的な空間です。
ベッドルームのインテリア。
淡い色彩のコンビネーションが素敵!
さて、続いては、実際にドイツの方が暮らしている住宅をご紹介します。
幸運にも、このハウスメーカーの新築住宅に居住されている方のお住まいを拝見することが出来ました。
オーナーの方に伺うと、「数社比較検討したが、工期の短さと標準仕様のよさに惹かれてこのハウスメーカーに決めた」とのことで、仕様がよいのに価格を抑えていることも魅力のようです。
じっくりプランを練ったのち、昨年4月に着工し、3ヶ月で完成しました。
南庭側の外観
黒い瓦の切妻屋根に、焦げ茶の煉瓦と白い壁の住宅で、かわいらしさと落ち着きとを感じます。
LDKから続く南庭のテラスの上には大きなオーニングがありました。
お天気の良い日にはアウトドアリビングを楽しんでおられるのでしょう。
南側テラスに大きなオーニング。
1階には広いLDKがあり、テラス、芝生の南庭へと続いています。
全体的によけいな物がなくすっきりしていて、生活しやすそうな印象を受けました。
これも整理整頓好きで合理的なドイツ人らしい暮らしぶりです。
キッチン。
とても機能的です。
ダイニング。
外付けブラインド越しに庭を眺める。
リビングには炎を楽しむために薪ストーブを据えたそうです。
家事室兼機械室もあります。
奥の大きい箱は貯湯タンクです。
この家は、太陽光発電を利用した給湯システムで、寒冷地であるドイツでは一般的に地下室や家事室などの屋内に設置されます。
省エネ関連の設備は、モデルハウスで見た最新の設備一式を備えていました。
・大きな窓はトリプルガラスの樹脂サッシ
・LDKの大きな窓の外付けブラインド
・地中熱利用ヒートポンプ式の床暖房
・熱交換型換気
・太陽光発電パネル
これがドイツの現在進行形の家です。
「この家はとても快適で気に入っている」と、オーナーの方はにこにこと話して下さいました。
さて、その後、ケルンの住宅展示場「Fertighaus Welt」を訪れました。
こちらにはハウスメーカー25社の最新住宅が建ち並んでいます。
各社とも、内外装デザインや住まい方のアイデアに加え、再生可能エネルギー利用を提案しています。
住宅展示場を視察して気づいたことは、どの会社の住宅も外付ブラインド付きということです!
最後に、特に外付けブラインドが印象的であった住宅をピックアップしてご覧頂きます。
今回、ドイツの住宅展示場と実際に暮らしている住宅を訪問して、改めて、太陽光や風などの自然エネルギーをうまく活用したドイツの住宅事情を実感することが出来ました。
断熱性の高いドイツの樹脂サッシ「エーデルフェンスター」はこちら
太陽光を効果的にコントロールする外付けブラインド「ヴァレーマ」はこちら
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