季節や気温に影響されず「夏は涼しく冬は暖かく快適に生活したい」と考えている方もいるでしょう。一年を通じて家の快適さを追及するなら、熱の出入りが大きい窓の断熱対策を考えると効果的です。
一般的に家の窓の面積が大きいほど、外気に触れる面が増えて室温に影響を及ぼしやすくなります。そのため窓をしっかりと断熱すると、寒い冬の日でも外気に影響されず暖かい室温を保ちやすくなるでしょう。
また断熱された窓は暖気を外に逃がさず、室温が安定しやすいことも特長です。室温が安定すると暖房器具を過剰に使用せずに済むので、電気代やガス代を抑え、省エネルギーな暮らしを目指すことも可能になるでしょう。
本記事では窓の断熱をすべき理由や手軽にできる断熱方法、本格的に窓の断熱をしたい方に向けた方法などを詳しく説明します。本記事を読んで効果的な窓の断熱方法を学び、快適な暮らしを手に入れましょう。
この記事のまとめ
- 窓の断熱を高めるべき理由とは?
窓の断熱を高めると得られるメリットは主に以下の4つです。
- 窓から入る外気の影響を減らす
- 各部屋の温度差を少なくして冬のヒートショックを防ぐ
- 光熱費のコスト削減
- 地球環境に優しい省エネルギーな暮らしの実現
- 窓の断熱を手軽に行う方法とは?
手軽な窓の断熱対策方法は主に以下の4つの方法があります。
- 断熱シートを貼る
- 気泡緩衝材を貼る
- 断熱ボードを設置する
- 断熱性の高いカーテンに変える
- オスモ&エーデルが提案する本格的な窓の断熱性を高める方法とは?
工事を伴う本格的な窓の断熱対策は主に以下の2つがあります。
- 断熱窓に交換する
- 外付けのブラインドを設置する
目次
窓の断熱とは
窓の断熱とは、部屋の内と外における熱の出入りを遮断することです。
基本的に熱は暖かい所から冷たい所へ移動するため、暖房で温められた部屋の熱は窓や換気扇、床や屋根など温度が低い部分を伝って逃げていきます。特に窓やドアなどの開口部は家の中でも熱の出入りが大きいといわれているので、窓が低断熱の素材でできていると部屋の暖気が失われやすく寒く感じる原因になるでしょう。
そのため窓を効果的に断熱すると、冬でも快適な室温を保ちながら生活がしやすくなります。
窓の断熱性を高めるべき理由
窓の断熱性を高めるべき理由には主に以下の3つがあります。ここではそれぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
外気の影響を受けやすいため
窓は家の中でも、特に外気の影響を受けやすい部分です。
日本建材・住宅設備産業協会省エネルギー建材普及促進センターがまとめた調査では、夏に窓を伝って熱が入ってくる割合は約73パーセント、冬の暖房時に熱が窓から失われる割合は約58パーセントとのデータがあります。この数字から、夏も冬も窓を通じた熱の出入りが大きいことが分かるでしょう。
そのため快適な室温の生活を目指すには、窓の断熱性を高めて外気の影響を少しでも減らすことが大切です。
※参考:(一社)日本建材・住宅設備産業協会省エネルギー建材普及促進センター.「住宅の省エネルギー基準 早わかりガイド」“日射遮蔽について”.https://www.kensankyo.org/syoene/siryou/pdf/hayawakari.html ,(参照2024-05-26).
冬のヒートショック対策にも有効
窓の断熱対策をすると、冬のヒートショック対策にもなります。
ヒートショックとは、急な温度の変化により血圧が急上昇・急降下して心臓に負担をかけてしまう状態です。症状が重いと心筋梗塞や脳卒中にもつながるため、特に高齢の方は注意が必要です。
例えば、冬に寒い脱衣所から熱いお風呂に急に入ったり暖かい部屋から寒いトイレに入ったりすると部屋の移動に急激な温度変化が伴い、ヒートショックが起きやすくなります。窓の断熱性を高めると、家の中で急激な温度変化が起こりにくくなるため、ヒートショックの対策につながります。
家の中では脱衣所やお風呂場、トイレなどの窓の断熱をしっかりと見直すと良いでしょう。
窓の断熱で光熱費が節約できる
窓の断熱をすると、光熱費の節約にもつながります。
窓の断熱性を高めることで、冬の寒い外気の影響を受けにくくなり、室内の暖気を長時間キープしやすくなります。その結果エアコンやガスヒーターなどの使用頻度が減り、光熱費の節約につながる可能性があるのです。
窓がきちんと断熱されていない部屋では、部屋が温まったと感じてエアコンやガスヒーターを切ると、途端に暖気が失われて寒く感じることもあるでしょう。
その結果部屋を暖かく保つためにエアコンやヒーターを付けたままにしてしまい、光熱費が高くなる場合があります。
省エネルギーにつながる
窓の断熱をすると省エネルギーにつながり、地球環境に配慮した暮らしの実現も可能になります。
2025年の脱炭素化社会の実現に向けて、国土交通省は2022年に「断熱等性能等級5・6・7」を新設しました。この内容では、2025年度に断熱等性能等級4適合の義務化、2030年度には断熱等性能等級5適合の義務化が予定されています。
住宅の断熱要件の引き上げを受けて、今後は「断熱等性能等級6」が住宅市場のスタンダードになることも予想されています。そのため省エネルギーで暮らせる、高水準の断熱基準を持つ住宅の需要が高まっているといえるでしょう。
※参考:国土交通省.「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」.https://www.mlit.go.jp/common/001585664.pdf ,(参照2024-05-26).
窓の断熱を手軽に行う方法
窓の断熱性を高めたいけれど具体的にどうしたら良いか分からない方や、賃貸アパートやマンションに住んでいて窓を交換する工事ができない方も少なくありません。そのような方の場合、まず以下の4つの方法を試して手軽に窓の断熱をしてみましょう。
断熱シートを使用する
手軽に窓を断熱する方法の一つに、市販の断熱シートがあります。
断熱シートとは、紫外線や赤外線をカットしてくれる特殊なフィルムでできたシートです。窓ガラスのサイズに合わせて切って貼るだけで、簡単に断熱ができます。
断熱シートには、ステンドグラス調の物や水玉模様などさまざまなデザインのシートがあるため、部屋の用途や雰囲気に合わせたデザインを選ぶのも楽しいでしょう。目隠しタイプの断熱シートを選べば外から家の中が見えず、プライバシーの保護にも役立ちます。台風などの自然災害時に、ガラス窓が割れて飛散するのを防ぐ効果が期待できる物など、近年ではさまざまなタイプの断熱シートがあります。
しかし窓用の断熱シートは、定期的な交換が必要です。断熱シートを交換する際には、フィルムが劣化してはがれにくかったり、前のシートのノリが残ってきれいにはがれにくかったりするなど、手間がかかるケースもあります。ガラス面が凹凸になっている型板ガラスは通常の断熱シートが接着できないなど、窓の種類に合った断熱シートを購入する必要があることも知っておきましょう。
気泡緩衝材を貼り付ける
気泡緩衝材を貼り付けるのも手軽に窓を断熱する方法の一つです。
一般的に気泡緩衝材は「プチプチ」と呼ばれており、なじみがある方もいるでしょう。気泡緩衝材を窓に貼り付けると、窓ガラスの表面に空気の層ができるため、断熱材と似た効果を得られます。ワレモノの購入時や宅配便などの緩衝材として広く使われている気泡緩衝材は比較的手に入りやすく、低コストで断熱対策ができるのもメリットの一つです。
しかし素材の透明度が高いので外から家の中が見えやすかったり、室内側の見た目があまり良くなかったりするので、プライバシーや来客など人の目を気にしなくて済む窓に使用すると良いでしょう。
断熱ボードを設置する
手軽に窓を断熱する方法の一つとして、断熱ボードを設置するのも良い方法です。
基本的に窓から入った冷気は、部屋の下側にたまる性質があります。そのため、断熱ボードを窓の下の部分に設置すれば、窓から冷気が部屋に流入するのを防げるでしょう。
断熱ボードには板状の物だけではなく、窓に発生する結露を吸い取る吸水性に優れた貼るタイプの物もあります。ホームセンターやインターネットなどで手軽に入手できる簡単な物が多いのもメリットの一つです。
しかしベランダや縁側など出入りが多い窓にボードを設置すると、その都度ボートを移動させなければなりません。また貼るタイプの物は定期的にシートの貼り替えの手間が生じる可能性があることを知っておきましょう。
カーテンを断熱性の高い物に変更する
カーテンを断熱性の高い物に変更するのも、手軽に窓を断熱する方法の一つです。
熱を通しにくい生地や特殊加工が施された生地で作られた断熱カーテンを使うと、部屋の暖気を窓から逃がしにくくなります。特にリビングルームの面積が広い窓は、カーテンを変えるだけで手軽に窓の断熱性を上げられるでしょう。
しかし断熱効果がある生地は、遮光の機能も同時に持っているケースもあります。遮光カーテンでもある場合は、日中にカーテンを閉めておくと部屋が薄暗くなる可能性があることも知っておきましょう。
本格的に窓の断熱性を高める方法
先述の通り手軽な断熱方法もありますが、よりしっかりと断熱するには、窓自体を変えるなどの方法がおすすめです。ここでは工事なども視野に入れて、本格的に窓の断熱性を高めたいと考えている方におすすめの方法を2つ紹介します。
二重窓にする
本格的に窓の断熱性を高めるには、二重窓にするのも方法の一つです。
二重窓とは既存の窓の内側に、もう一つ窓を設置する方法です。一般的に家のリフォームで窓の断熱性を高める際に行う工事の一つで「内窓を取り付ける」と表現されることもあります。
二重窓を設置すると、既存の窓と新設した窓の間に空気の層ができるので、断熱効果や防音効果が期待できるでしょう。
一般的に既存の窓の内側に二重窓を新設するケースが多いため、窓や家の構造的に設置が可能かどうか、リフォームの業者に確認を行うと良いでしょう。
断熱窓に交換する
本格的に窓の断熱性を高めるには、既存の窓を断熱窓に交換するのも効果的な方法の一つです。
一般的な住宅の窓はアルミフレームと単板ガラスの構造になっていますが、PVC樹脂のフレームと複層ガラスを用いた断熱窓に交換すると、一般的な窓の約5倍以上の断熱性が期待できます。
PVC樹脂はアルミの約1000分の1の熱伝導率を持つ素材で、冬の外気の冷たさを家の中へ伝えにくく、結露の発生を防ぎやすいのも大きな特長です。またPVC樹脂は劣化や変色、圧力や衝撃にも強く、錆びずに長持ちするのもメリットの一つです。
複層ガラスは2、3枚のガラスを重ねて一つの窓に仕上げた物を指し、重ねるガラスの枚数が増えるほど断熱効果が高まり、室内の暖気を外に逃しにくくなります。一般的に北海道などの、寒冷地の窓に使用されている素材です。
PVC樹脂と複層ガラスを組み合わせた断熱窓は、室内の温度を一定に保ちやすいです。そのため省エネルギー効果に優れていたり、気密性と剛性から屋外の騒音をカットして静かな空間を作ったりできるのも魅力でしょう。
外付けのブラインドを設置する
外付けのブラインドを設置するのも、本格的に窓の断熱性を高める方法の一つです。
夏などの暑い時の遮熱対策について、家の中で熱を遮るより、外から遮る方が断然効果的です。室内ブラインドやカーテンなど室内側で熱を遮ると、窓とブラインドやカーテンの間で温まった熱がたまり、室内全体が暑くなってしまいます。外付けブラインドであれば、太陽の熱を81%もカットし、家の中に入れません。また、断熱性・気密性の高いお住まいでは、夏に限らず、春や秋などの中間の季節、冬でも時間帯や日の入り方によって暑すぎたり眩しすぎて困るという場合もあります。外付けブラインドは、太陽の光と熱をコントロールできるので、一年中、天候や気温に応じてコントロールできる点も特長です。
他にも外付けのブラインドだと、部屋の内側がスッキリして家具のレイアウトがしやすくなったり、窓の近くにソファーやベッドを置いても、外気の影響で寒くなる心配が少なくなったりするのも魅力です。
まとめ
本記事では窓の断熱性を高めるべき理由や手軽にできる断熱方法、本格的に断熱をしたい方に向けた方法などを詳しく説明しました。一年を通して快適な室温の生活を送るには、窓の断熱を見直すことをおすすめします。
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