フローリングにワックスをかけたいけれど、具体的にはどうすれば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、フローリングのワックスがけの方法を解説します。フローリングにワックスをかける理由や、ワックスの種類も紹介するので、参考にしてください。

フローリングにワックスをかける理由は?

そもそもフローリングの床にワックスをかけるのは、なぜなのでしょうか?それには、以下の2つの理由があるためです。

  • 傷や汚れが付きにくくなる
  • フローリングが長持ちする

それぞれの理由について詳しく解説します。

傷や汚れが付きにくくなる

フローリングにワックスをかける理由の1つが、フローリングに傷や汚れが付きにくくなるためです。

フローリングにワックスをかけることで、フローリングの表面に保護層を形成します。この保護層がフローリングに傷や汚れが付くのを防いでくれます。

また、ワックスの保護層は水や汚れがフローリングに侵入するのを防いでくれるため、汚れを簡単に拭き取れるようになるのもワックスをかけるメリットです。

掃除がしやすくなるため、日常的なメンテナンスもしやすくなるでしょう

フローリングが長持ちする

フローリングにワックスをかけるもう1つの理由は、フローリングを長持ちさせるためです。

前述のとおり、フローリングに形成されるワックスの保護層によって、汚れや傷がフローリングに直接付くのを防止できます。また、水や汚れがフローリングに侵入するのも防げるため、フローリングへの直接的なダメージを軽減できるのです。

さらに、ワックスがけによってフローリングの掃除がしやすくなるため、フローリングが持つ美しさを維持しやすくなります。ワックスの効果が薄れてきた場合は、再度ワックスがけを行うことで保護層の効果を復元できる他、見た目の美しさも維持できます。

このようにフローリングにワックスをかけることで、床材へのコーティング効果を期待できるため、フローリングが長持ちするようになるのです。

ワックスがけが不要なフローリング

フローリングにワックスをかける理由を解説しましたが、フローリングの中にはワックスがけを必要としないものもあります。

  • 無垢材のフローリング
  • ノンワックスフローリング

は、ワックスがけを必要としません。

それぞれ詳しく解説します。

無垢材のフローリング

無垢材のフローリングは、表面の仕上げ塗装の種類によってワックスがけ(メンテナンス方法)の考え方が異なりますので注意が必要です。

無垢材フローリングの表面仕上げの方法は以下のとおりです。

  • 無塗装
  • オイル塗装
  • ウレタン塗装

無塗装とは、文字通り何も塗装していないフローリングを指します。オイル塗装は、植物性油脂を主原料としたオイル塗料をフローリングに浸透させる塗装、またウレタン塗装はウレタン樹脂を薄く塗って表面に強い膜を作る塗装方法です。

このうち、ウレタン塗装はすでにフローリング表面に塗膜が形成されているため、ワックスがけは不要です。オイル塗装の場合は、塗装と選択しようとしているワックスの相性が合わない場合もありますので注意が必要です。オイル塗装やフローリングメーカーへ確認してみましょう。

ノンワックスフローリング

ノンワックスフローリングも、ワックスがけを必要としません。

ノンワックスフローリングとは、表面に特殊な加工を施したフローリングのことです。表面の防護効果があり、メンテナンスがしやすいといった特徴があります。フローリングの表面に保護膜が形成されているため汚れが付着しづらく、基本的にワックスがけを必要としません。

ただし、ノンワックスフローリングも5年程度経過すれば表面の保護フィルムが劣化し、防護効果がなくなる場合があります

この場合、ワックスがけによって床材を長持ちさせたり、艶感を蘇らせたりできますが、基本的には床材メーカーが推奨しているワックスを使用するのが鉄則です。ワックスの種類によっては床材との相性が悪かったり、床材を傷めてしまったりするためです。

ノンワックスフローリングを使用する場合は、正しいメンテナンス方法と、経年劣化が生じた場合の対応方法を理解しておくことが大切になるでしょう。

フローリングワックスの種類

フローリングにかけるワックスにもさまざまな種類があり、特徴が異なります。自宅のフローリングにかけるワックスについては、どのタイプが適しているのか検討する必要があるでしょう。

フローリングの種類は大きく以下の4つに分類できます。

  • 水性ワックス
  • 樹脂ワックス
  • 半樹脂ワックス
  • 乳化性ワックス
  • 植物ワックス

それぞれ詳しく解説します。

水性ワックス

水性ワックスとは、天然または合成のロウが主成分のワックスのことです。ワックスをかけた後に乾拭きすることで光沢が出ます。

水性ワックスを使用するメリットはコストの安さです。ワックス自体の金額が安く、ホームセンターやインターネット通販でも購入できます。施工も簡単で、塗り直しが必要な場合でも剥離がしやすいなど、取り扱いやすいワックスといえるでしょう。

一方、水性ワックスは耐久性が低いため、頻繁にワックスをかける必要があります。数カ月に1回はワックスをかけなければなりません。

また、他のタイプのワックスと比較して床が滑りやすいデメリットがあるため、小さな子どもやお年寄りがいる家庭、ペットを飼育している家庭のフローリングに水性ワックスをかけるのは避けた方が良いでしょう。

樹脂ワックス

樹脂ワックスとは合成樹脂を原料としたワックスです。一般的に広く使用されているワックスで、水性ワックスと比較して光沢が出やすいのが特徴です。また、水や化学洗剤、摩擦などに対する耐久性が高い他、ワックスをかけても滑りにくいのも樹脂ワックスが待つ特性となっています。

樹脂ワックスのメリットはフローリングを保護しながら美しく見せられる点です。耐久性があるため塗り直しの回数も少なくて済みます。

一方、施工が難しく初心者や素人が塗るのは困難です。業者に依頼してワックスがけを行う必要があるため、コストは高くなります。また、無垢材フローリングには使用できない点には注意してください。

半樹脂ワックス

半樹脂ワックスは、水性ワックスと樹脂ワックスのちょうど間の性質を持ったワックスです。樹脂ワックスよりも施工しやすく、水性ワックスよりも耐久性が高くて光沢が出やすいのが特徴です。

一般的なフローリングではなく、クッションフロアやゴム系の床材など、柔らかい床材に使用されることが多い傾向にあります。

乳化性ワックス

ロウと合成樹脂、揮発性溶剤などが主な成分のワックスです。無垢材フローリングや白木といった、塗装されていない木材に使用されるワックスで、木材の表面を保護する役割があります。

あくまでも木材の保護を主な役割としているため、強い光沢はなく、日本家屋や寺社仏閣の床などに向いています。また、耐久性はそれほど高くないため、フローリングを保護したい場合は頻繁なワックスがけが必要になります。

フローリングのワックスがけに必要な道具

フローリングのワックスがけの道具

フローリングのワックスがけには下準備や施工のために道具を準備する必要があります。

具体的には以下の道具を準備しておきましょう。

  • ワックス(シートタイプ・スプレータイプ・液体タイプ)
  • ワックス塗布用の器具(スプレータイプ・液体タイプの場合)
  • ゴム手袋
  • 掃除機
  • フローリングワイパー
  • 床専用クリーナー
  • 水拭き用の布
  • バケツ

家庭で使用するワックスには、シートタイプやスプレータイプ、液体タイプなどがあります。

シートタイプは掃除する感覚でワックスがけができます。またスプレータイプはワックスをかけたいところに直接スプレーして、ワイパーで塗り広げるタイプのワックスです。液体タイプは本格的なワックスがけに向いており、耐久性が高いですが、施工にはコツが必要です。

ワックスをかける前には掃除が必要になるため、掃除機やフローリングワイパーが必要になる他、床専用クリーナーや水拭きに使う道具も準備しておきましょう。

また使用するワックスによっては、肌を保護するためのゴム手袋も忘れずに準備してください。

フローリングのワックスがけの方法

ここではフローリングのワックスがけの方法を紹介します。具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 家具・家電を移動させておく
  2. 掃除機・フローリングワイパーで床を掃除しておく
  3. ワックスをかける
  4. ワックスを乾燥させる

それぞれ詳しく解説します。

1.家具・家電を移動させておく

自宅のフローリングのワックスがけは、下準備から始めます。まずは、ワックスをかけたい部屋にある家具や家電を移動させましょう。家具や家電を設置したままでワックスがけをすると、ワックスをかけた場所とかけていない場所ができてしまうためです。また家具にワックスが付いてしまうのを防ぐためでもあります。

戸棚や冷蔵庫といった大型の家具や家電を移動させる場合は、2人以上で作業を行うようにする他、保護シートや毛布などを敷いて床面を保護しましょう。フローリングに傷が付きにくくなる他、家具や家電の移動が楽になります。

2.掃除機・フローリングワイパーで床を掃除しておく

家具や家電の移動が終わったら、床面の掃除をしましょう。

掃除機やフローリングワイパーを使用して、表面のゴミやホコリ、チリなどを取り除きます。また、フローリングの表面に汚れがある場合は、専用クリーナーなどを使用して汚れを取り除き、水拭きして洗剤成分が床面に残らないようにしましょう。

掃除をしないままワックスをかけると、ワックスがうまく塗布できないケースがある他、ワックスの塗膜にゴミなどが混ざり、見た目が悪くなるケースがあります。

再度ワックスをかけるとなると、ワックスを剥がす必要があるため、余計な手間もかかります。下準備としてしっかり掃除することが重要です。

3.ワックスをかける

床面の掃除が完了し、表面が乾燥したら下準備は完了です。いよいよ、ワックスがけの工程に入ります。

ワックス用のワイパーや布にワックスを染み込ませて塗っていきましょう。フローリングの木目に沿って、丁寧に優しくワックスをかけてください。

ワックスが乾いていない場所を踏んでしまうと、足跡ができたり、他の床面を汚してしまったりするため、十分に注意しながらワックスがけを行いましょう。

また、部屋の奥部から出口に向かいながらワックスがけを行えば、きれいにワックスを塗り広げられます。

4.ワックスを乾燥させる

部屋全体にワックスを塗り広げられたら、ワックスを乾燥させましょう。

乾燥時間はワックスの種類や製品によって異なりますが、おおよそ1時間程度です。その間は、部屋を歩いたり、何かを置いたりしてはいけません。また、乾燥前に水をこぼすと白濁するため、十分注意してください。

よりきれいにワックスをかけたい場合は、完全に乾燥してから2度塗りを行いましょう。2度塗りは手間がかかるものの、フローリングを保護する効果が高まります。

フローリングのワックスがけで注意したいこと

自宅のフローリングにワックスがけをする場合、いくつか注意しなければならない点があります。

具体的な注意点は以下のとおりです。

  • 雨の日や寒い日は避ける
  • 水に濡れないように気を付ける
  • 半年から1年に1回は塗り直す

それぞれ詳しく見ていきましょう。

雨の日や寒い日は避ける

自宅のフローリングにワックスをかける場合は、雨の日や寒い日を避けましょう。ワックスが乾燥しにくいためです。

ワックスはしっかり乾燥させなければきれいに仕上がりません。雨の日など湿度の高い日は、ワックスが乾燥するまでに時間がかかり、その間は部屋に入ることも、何か作業することもできなくなります。どうしてもその日にワックスをかけなければならない事情でもない限り、雨の日は避けましょう。

また、寒い日もワックスが乾燥するまでに時間がかかります。できるだけ温暖な気候の日にワックスがけを行うのがおすすめです。

水に濡れないように気を付ける

ワックスをかけた後は、水に濡れないように気を付けましょう。ワックスが乾かないうちに水に濡れてしまった場合、その部分が白く濁ってしまう恐れがあるためです。

どの種類のワックスでも、乾燥前は水に弱いものがほとんどです。状況によっては塗り直なければならなくなることもあるので注意してください。

また、フローリングが汚れた状態でワックスをかけた場合や、乾燥していないうちに2度塗りをした場合も、白くなったり、ムラになったりすることがあります。

半年から1年に1回は塗り直す

ワックスは半年から1年ごとに塗り直すようにしましょう。ワックスの保護膜は日常生活を送っていると、徐々に劣化していくためです。

基本的には上塗りをすれば良いですが、汚れやゴミが表面にある状態で上塗りすると、フローリングが黒ずんだり、くすんだりすることがあります。その場合は古いワックスを剥がした状態で、新しくワックスを塗り直しましょう。

まとめ

今回はフローリングのワックスがけの方法を紹介しました。

フローリングにワックスをかけることで、日々のメンテナンスがしやすくなり、床面を保護して美しい状態を保てます。

ただし、ワックスが不要なフローリングがある他、ワックスそのものにもいくつかの種類があるため、どのようなワックスを使用するのか慎重に検討しましょう。

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