みなさまのより良い住まい作りのご提案やアイデアを発信する、
オスモ&エーデル広報部です。今回は住宅の断熱性能のお話です

高断熱住宅におすすめ:外付けブラインド「ヴァレーマ」に関するお問い合わせはコチラ→

断熱性能の高い家を建てたいと考えている方に向け、断熱性能について詳しく解説します。
「断熱性能が高いと暖かい」と言われますが、実際にどのくらいの性能が必要なのでしょうか?
体感としてどのくらい暖かいのか、HEAT20の基準を満たすのか…。
目に見えない性能であり、「本当にこれでいいのか?」と迷う方もいるようです。

そこで今回の記事では、断熱性能について、国が定める基準とHEAT20のグレード、測定のための数値などについて解説します。
記事を参考にしていただければ、地域ごとにどのくらいの断熱性能が必要となるのかおわかりいただけるはずです。

効果的な断熱対策には外付けブラインド「ヴァレーマ」がおすすめ

ヴァレーマの詳細を見てみる

断熱性能等級とは

断熱性能等級とは、平成12年に制定された省エネ性能を示す等級のことです。
国土交通省による「住宅の品質確保の促進等に関する法律」を元にして定められました。
等級は下記のように1~7まであります。

等級7

熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている

等級6

熱損失等の著しい削減のための対策が講じられている

等級5

熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている

等級4

熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている

等級3

 熱損失等の一定程度の削減のための対策が講じられている

等級2

熱損失の小さな削減のための対策が講じられている

等級1

その他

出典:国土交通省:(PDF)住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設

 

一般的には等級ごとの省エネ性能は次のとおりとされます。

 

等級7

一次エネルギー消費量約40%減

等級6

一次エネルギー消費量約30%減

等級5

ZEH相当レベル・断熱等性能等級4レベル程度

等級4

壁・天井・開口部への断熱が必要

等級3

省エネ性能を一定レベル確保

等級2

省エネ性能がある住宅

等級1

その他

 

実際にはより詳しい基準が設けられていますが、おおむね上記のように等級わけされています。

等級1から7になるにつれ、断熱性能・省エネ性能ともに向上します。

HEAT20とは

HEAT20とは、「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」のことです。
断熱性や遮熱性、通風性、日光の活用などにおき、環境に配慮しながら健康的で快適に暮らせる住まいを推奨しています。

HEAT20による住宅のグレードはG1・G2・G3の3つに分類されています。
断熱性能等級の5等級はG1レベル、断熱性能等級の6等級はG2に相当します。
そして最高レベルの断熱性能等級7は、G3相当です。
HEAT20が推奨するグレードは、断熱性能の高い住宅を建てる場合の参考になります。

断熱性能等級を上げると得られるメリットとは?

それでは断熱性能等級を上げることで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?

メリット①光熱費を削減できる

まず断熱性能等級を上げると、光熱費を削減できるようになります。
断熱性が高ければ、住宅内が外気の影響を受けにくくなるはずです。
夏の暑い外気も、冬の冷たい外気も、住宅内に大きな影響は及ぼしません。

すると冷暖房を使う頻度は減るはずです。
住宅において冷暖房によるエネルギー消費量は非常に大きなもの[1]。
室内の温度を適切に保ち冷暖房の使用を控えれば、光熱費の削減につながります。

メリット②快適な環境で過ごせる

快適な環境で過ごせることもメリットのひとつです。
断熱性とは、外の気温による影響を受けにくくなることを示します。
日本は四季の変化にともなって、気温も変化する国です。
しかし断熱性の高い住宅に住んでいれば、過ごしにくい気温の時期でも快適に過ごしやすくなります。
夏の暑さや冬の寒さによる影響を受けにくくなれば、年間を通して快適な環境で過ごせるでしょう。


参考記事:なぜ戸建ての二階は暑いのか?原因と対策方法をご紹介!

メリット③ヒートショックのリスクを減らせる

ヒートショックのリスクを減らし、健康的な生活が送れることもメリットと言えます。
住宅内で室温差が大きくなると、ヒートショックと呼ばれる、血圧の急上昇による心筋梗塞や脳卒中が起こりやすくなるものです。
ヒートショック現象により亡くなる方も少なく有りません。
しかし断熱性が高いと住宅内の室温が一定に保たれやすくなります。
結果的にヒートショックが起こりにくくなり、健康的な暮らしが目指せるかもしれません。

メリット④補助金制度や税制優遇を受けられる

断熱性能の高い住宅では、補助金制度や税制の優遇が受けられるメリットもあります。
国は省エネ性能に優れた住宅を推進しているため、断熱性の高い住宅を建てた場合、さまざまな優遇が受けられます。
所得税や固定資産税の軽減などを受けられれば、建築費用の負担も軽減されるはずです。

断熱性能等級を上げるデメリット

断熱性能等級を上げることには、メリットだけでなくデメリットもあります。
断熱性を重視した住宅を建てる前に、メリットとともにデメリットも知っておきましょう。

デメリット①ハウスダスト対策が必須になる

まずはハウスダスト対策が必要となることです。
断熱性能の高い住宅では、住宅内の快適な空気を逃さないよう、高気密であることが多くなっています。
高気密住宅では快適な室温を保ちやすくなると同時に、空気の入れ替えが行われにくくなるものです。
そのためハウスダストが家の中にたまりがちになります。
ハウスダストはアレルギーの原因にもなるため、特に小さな子どもがいる家なら換気は必須となるでしょう。
断熱性・気密性の高い家は快適ではありますが、ハウスダストがたまりやすいデメリットがあることも忘れないようにしてください。

デメリット②内部結露が発生する可能性がある

続いてご紹介するデメリットは、内部結露発生の可能性があることです。
内部結露とは壁の中に発生する、表からは見えない結露のこと。
もし壁の内側に隙間があると、隙間から外気が入り込んで結露が起こることがあります。
壁の内側に発生するため、表側の結露のように拭くわけにもいきません。
内部結露はカビの原因となり、住宅の寿命を縮める原因でもあるためデメリットであると言えるでしょう。

デメリット③建設費用がかかる

最後に、断熱性能の高い住宅を建てるには建設費用がかかるデメリットもあります。
断熱性能を高めるためには、断熱材や断熱性能に優れた設備などを取り入れなければなりません。
しかし資材や設備のレベルが高くなるほど、コストもかかります。
断熱性能が高い住宅を求めるほど、建設費用も比例して高くなっていくでしょう。
一般的な住宅を建てるよりも、建設費用が多くかかることもデメリットのひとつです。

高断熱住宅を作る工法

デメリットがあっても断熱性能の高い住宅を建てたいと思われているなら、まずは高断熱住宅をつくる工法について知っておきましょう。
主な工法は次の2つです。

工法①充填断熱工法

「充填断熱工法」とは、構造部材の間に断熱材を詰め込む工法のことです。
「内断熱」と呼ばれることもあります。
木造住宅に用いられることが多く、費用をかけずに断熱性能を高められることがメリットです。
ただし内部結露が発生することがあり、防湿フィルムを貼らなければなりません。
木造住宅を得意としている工務店・ハウスメーカーで多く採用されている工法です。

工法②外断熱工法

「外断熱工法」とは、住宅を断熱材ですっぽりと覆うように包む工法のことです。
「外断熱」と呼ばれることもあります。
結露が起こりにくく、構造内を配線などのために活用しやすいことがメリットです。
しかし充填断熱工法よりもコストがかかり、断熱材を厚くすると、重みで外壁が下がってきてしまうことも珍しくありません。
断熱性能を高めるには、以上のように充填断熱工法のほかに、外断熱工法と呼ばれる種類もあります。

断熱性能等級を上げるには?

それでは断熱性能等級を上げるには、どのようにすれば良いのでしょうか?
住宅を建てるときに役立つ、4つの方法をご紹介します。

方法①扉や窓を断熱性のある素材にする

まずは扉や窓を断熱性の高い素材にすることが効果的です。
扉や窓などの開口部は外からの影響を受けやすく、壁や天井に比べるとどうしても断熱性能が低くなります。
そこで必要となるのが、性能の高い扉・窓・サッシなどを採用することです。
断熱性能が低い部分を強固におぎなえれば、住宅全体の断熱性能を底上げできるでしょう。

方法②壁や天井に断熱材を入れる

断熱性能等級を上げるには、壁や天井に断熱材を入れて性能を高めてください。
開口部より外からの影響を受けにくいとは言え、やはり壁や天井を伝って移動する熱も少なくありません。
しかし断熱材を入れれば、外と住宅の間の熱移動を防げるようになります。
性能の高い断熱材であるほど、高い断熱性能を得られるはずです。

方法③気密性の高い作りにする

気密性の高い住宅にすることも欠かせないポイントです。
断熱性と気密性は、セットになればより高い効果を発揮します。
住宅内の空気が快適な温度になったとしても、隙間から外に逃げてしまっては意味が薄れてしまうためです。
快適な温度の空気を逃さないように、気密性の高いつくりにすると断熱性能等級を上げられるでしょう。

方法④計画換気ができる作りにする

断熱性の高い住宅をつくる際に、計画換気ができるつくりにすることも忘れないでください。
断熱性と換気性は相反するように思えるかもしれません。
しかし高断熱・高気密の住宅では換気がしにくく、ハウスダストやホルムアルデヒドが住宅内にたまりかねません。
換気システムの導入や窓の位置の工夫などにより、計画換気をしやすいつくりにすることをおすすめします。

断熱性能をチェックする方法

断熱性能の高い住宅を建てるとしても、住宅の性能は目に見えないものです。
そこで住宅の断熱性能をチェックする方法について知っておきましょう。
基本的に以下の数値を確認すれば、どのくらいの断熱性能を備えた住宅であるか確認できるようになります。

方法1:UA値を確認する

まずは「UA値(外皮平均熱貫流率)」を確認しましょう。
UA値とは外皮(壁・床・屋根など住宅をおおうもの)の断熱性能を示す値です。
数値が小さいほど断熱性能が高くなり、地域により次の値が理想とされています。

 

地域1

地域2

地域3

地域4

地域5

地域6

地域7

0.46

0.46

0.56

0.75

0.87

0.87

0.87

出典:国土交通省:(PDF)【参考】住宅における外皮性能

住宅性能の高さは各地域により異なります。
お住まいの地域がどの区分に分類されているのか、調べてからUA値を確認してください。
主に北のほうが基準がゆるく、南に向かうにつれて厳しくなります。
地域ごとに、以上のような数値が理想です。

方法2:C値を確認する

続いて確認したいのは「C値(隙間相当面積)」です。
C値が示すのは住宅全体における隙間の大きさ。
UA値のような地域ごとの基準の差はありません。
しかし一般的に「1.0以下」であれば断熱性能の高い住宅とみなされます。
数値は隙間の面積によって決まるため、数値が小さいほど隙間が小さく、高気密・高断熱の住宅となります。

方法3:μ値を確認する

「μ値(夏期日射取得係数)」も、断熱性能に関わる数値のひとつです。
μ値は建物内で取得する日射の量を示します。
UAが値のように地域ごとに基準が異なり、次のような基準で性能をはかります。

地域1

地域2

地域3

地域4

地域5

地域6

地域7

0.08以下

0.07以下

-

出典:九州住環境研究会:ハイブリッド・エコ・ハートQ

数値が小さいほど住宅内に入り込む日射の量が少なく、冷暖房効率が良いことになります。

方法4:Q値を確認する

「Q値(熱損失係数)」は、住宅内からどれだけ熱が逃げにくいかを数値化したものです。
やはり小さいほど断熱性能が高いことになります。
Q値の基準は地域により異なり、下記の数値が基準です。

地域1

地域2

地域3

地域4

地域5

地域6

地域7

1.4

1.9

3.7

-

出典:九州住環境研究会:ハイブリッド・エコ・ハートQ

UA値・C値・μ値の3つを確認したら、Q値も含めて確認しましょう。
そうすれば住宅内の快適さが想像できるようになるはずです。

方法5:建築士に確認する

数値を確認する以外の方法として、建築士に確認する方法もあります。
一般の方が断熱性能をはかるための数値を計算するのは難しいでしょう。
しかし建築士であれば、UA値・C値・μ値・Q値ともに計算できます。
また数値ではなく、イメージで説明してもらえるかもしれません。
住宅の断熱性能について知りたいなら、まずは建築士に相談してみるのもひとつの方法です。

断熱性能は等級とHEAT20のグレードを参考に

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、断熱性能についてご理解いただけたと思います。

断熱性能は国によって7つの等級に分けられています。
しかしHEAT20が定めるグレードを参考に決めても良いでしょう。
いずれにしても住宅本来の断熱性能は数値によって示されるため、建築士に相談してみてください。

オスモ&エーデルでは断熱性能に優れた住宅を建てたいと考えている方の相談にも相談いたしております。
ぜひショールームでの体感やわたくしどもへのご相談をしていただき、理想の住宅をつくりあげてください。

効果的な断熱対策には外付けブラインド「ヴァレーマ」がおすすめ

ヴァレーマの詳細を見てみる