自宅の玄関ドアに木製ドアを使用していると、塗装が剥げてきたり、色褪せが目立ったりすることがあります。塗装やドアの劣化を感じる場合は、再塗装を検討するべきですが、費用が掛かるため、自分で塗装したいと考えている人がいるかもしれません。
そこで今回は、木製の玄関ドアを自分で塗装する際の手順や、塗装を長持ちさせるためのポイントについて解説します。
また、塗り替えのタイミングや塗装に使用する塗料の種類の選び方、事前に準備が必要なものまで紹介します。
DIYで玄関ドアを塗装したい場合は、ぜひ最後までチェックしてください。
目次
木製玄関の塗り替えタイミング
自宅の木製玄関を塗り替えるタイミングとして、明確な年数はありません。立地条件や使用状況などによって、塗装の劣化具合が異なるためです。
木製のドアの場合は、ドアの光沢感が感じられない場合や、爪で引っ掻いたときに塗料が剥がれてしまうような場合、塗り替えを検討するタイミングといえます。
また、木製玄関のドアに傷が付いている場合も、塗り替えのタイミングです。傷を放置したままにしていると、雨水や虫などが侵入する恐れがあり、ドアの劣化が進みやすくなるためです。
劣化が進むと、再塗装だけでは済まなくなる場合もあるため、十分注意しましょう。
木製玄関ドアは自分で塗装できる?
木製玄関のドアの塗装が劣化している場合、自分で再塗装したいと考える方もいらっしゃるでしょう。
基本的には塗装業者に依頼した方が無難ですが、木製玄関ドアの場合は自分で塗装することも可能です。
ただし、玄関ドアの塗装は工程が多い他、専門知識や専門の道具をそろえる必要があります。塗装が完了するまでに時間が掛かる可能性があることを覚悟した方が良いでしょう。
さらに木製ドアが腐食している場合や、以前のクリヤー塗料が残っている場合は、塗装ができないため、補修や下準備が必要になります。また、玄関扉がアルミなどの金属製の場合は、専用の塗料や高い技術が必要になるため、DIYで塗装するのは避けた方が良いでしょう。
自分で玄関ドアを塗装したい場合は、上記のリスクがあることを把握した上で、どうすべきか慎重に判断することをおすすめします。
ご自分で塗装したい場合は、まずは、玄関ドアの表面仕上げ塗装の種類を玄関ドアのメーカーに確認するとよいでしょう。塗装の種類によっては、DIYでの塗装が難しいものもあるためです。
木製玄関ドアを自分で塗装するメリット
木製玄関ドアを自分で塗装する場合、以下のようなメリットがあります。
- 塗装費用を抑えられる
- 自分の好みに合わせられる
木製玄関ドアを自分で塗装する大きなメリットは、塗装費用を抑えられることです。業者に依頼する場合に発生する工賃が、自分で塗装すれば節約できるためです。
ただし、自分で木製玄関ドアを塗装して失敗した場合、業者に再塗装を依頼しなければならなくなり、費用が余計に掛かるケースもあるため注意しましょう。
また、自分の好みに合わせて塗装できるのも、DIYで塗装するメリットです。しかし、塗りムラがないように塗装するには知識や技術が必要になるため、思い通りの仕上がりになるとは限らないことを理解しておきましょう。
木製玄関ドアは外側と内側で傷みの程度が異なる
木製玄関ドアを自分で塗装する場合に気を付けたいのが、外側と内側で傷みの程度が異なることです。
屋外側の木製玄関ドアは外部要因の影響を受けやすくなります。例えば太陽光や雨風、気温の変化など、異なる自然要因によって塗装が劣化しやすいのです。
太陽光から発せられる紫外線や雨水を受けた場合、玄関ドアは劣化しやすくなり、塗装が剥がれたり、色褪せが発生したり、割れてしまったりすることがあります。
一方、内側の木製玄関ドアは事前要因の影響をほとんど受けないため、外部と内部で傷み具合が異なります。
塗装の際には注意が必要になるでしょう。
木製玄関ドアで使用する塗料の種類
木製玄関ドアを塗装するための塗料にはいくつかの種類があり、求める仕上がりや特性によって塗料を選択する必要があります。具体的な塗料の種類は以下のとおりです。
- 木目を活かす塗料(浸透型塗料)
- 木目を塗りつぶす塗料(造膜型塗料)
- 水性塗料
- 油性塗料
- 植物由来の木材保護塗料
それぞれ詳しく見ていきましょう。
木目を活かすかどうか
木製玄関ドアを塗装する場合に考えたいのが、玄関ドアの木目を活かすかどうかです。この場合、塗料の選択肢は以下の2種類となります。
- 木目を活かす場合は浸透型塗料を選ぶ
- 木目を塗りつぶす場合は造膜型塗料を選ぶ
木目を活かす塗料(浸透型塗料)
木製玄関ドアの木目を活かした塗装がしたい場合は、浸透型塗料を使用します。
浸透型塗料とは、木材の表面から内部に浸透して木材を守るタイプの塗料です。和室の垂木や縁側、柱などに使用されることもあり、木目が持つ雰囲気や温かさを活かせます。また、木材の収縮にも対応できるメリットがあり、塗装後に塗膜が剥がれる心配もありません。
浸透型は木材の内部の撥水や防腐、防カビなどの効果を期待できますが、塗料の膜を生成しないため、耐久性や耐水性は低いと考えておきましょう。
メンテナンス時期は早くなりやすいですが、一度塗装した部分に重ね塗りができるため、古い塗膜を除去する手間が掛かりません。業者に再塗装を依頼した場合でも、施工費用はそれほど高くならないでしょう。
木目を塗りつぶす塗料(造膜型塗料)
木目を塗りつぶしたい場合は、造膜型塗料を使用します。
造膜型塗料とは、文字通り塗料をベタ塗りして塗膜を作り、木材を保護するための塗料です。外壁や屋根などの塗装に使用されることが多い塗料です。
浸透型塗料と比較してカラーの種類が多い他、艶の色合いも調整できるため、木部の色味を思い切って変えたい場合に向いています。
また、塗料で膜を生成し木部の表面を保護できるため、浸透型と比べて耐水性や耐久性が高い点もメリットです。メンテナンスのスパンも長くなるため、コストパフォーマンスに優れているともいえるでしょう。
一方、木材の表面を塗膜で覆うため、木材そのものの感触や見た目の温かさが残りません。塗膜によって木目が隠れてしまうのは、造膜型塗料のデメリットとなります。
水性か油性か植物由来の木材保護塗料か
木製玄関ドアを塗装する場合、塗料の性質についても考えなければなりません。塗料の性質を大きく分類すると、以下の3種類に分けられます。
- 水性塗料
- 油性塗料
- 植物由来の木材保護塗料
それぞれの塗料がどのように違うのか、詳しく見ていきましょう。
水性塗料
水性塗料とは、塗料の原料が水で希釈されている塗料のことをいいます。
水性塗料を使用する大きなメリットは、独特の臭いがほとんどしないことです。水性塗料は塗装後に水分が乾燥するため、臭いが発生しません
水性塗料にはシンナーが含まれていないため、引火性が低く施工した箇所の火事の心配がいらない点もメリットです。水性であるため、塗装した後の刷毛やローラーなどの道具を水道水で洗浄できる他、扱いやすいため初心者でも使用しやすいといった特徴があります。
油性塗料
油性塗料とは、塗料の原料をシンナーなどの有機溶剤で希釈している塗料のことをいいます。
油性塗料を使用するメリットは、塗装後の耐久性の高さです。油性塗料に含まれる樹脂により、強固な塗膜を生成できるためです。塗膜が均一になりやすい性質もあるため、塗装後の仕上がりが美しくなりやすいのも、油性塗料を使用するメリットといえます。
デメリットは溶剤にシンナーを使用しているため、乾燥時に臭いがする点が挙げられます。木製玄関ドアを塗装する場合でも、近隣への報告や配慮が必要になるでしょう。
引火性も強いため、塗料の保管場所や管理方法にも注意が必要になります。
植物油由来の木材保護塗料
植物油由来の木材保護塗料とは、主原料は植物油で、溶剤にシンナーを使用していない塗料です。例えば、木材保護塗料オスモカラーは、ひまわり油などの植物油を主原料としており、溶剤は脱芳香族化したミネラルオイルで、ドイツ薬局方10項に定められた危険な成分を除去したものです。撥水性、保護性能、耐久性に優れ、その後の再塗装は、既存の塗装が残っている状態で上塗りをする方法なので、メンテナンス性の良さもメリットです。
木製玄関ドアを自分で塗装する際に必要なもの
木製玄関ドアを自分で塗装する場合、事前に準備すべきものは以下のとおりです。
準備するもの |
内容 |
エプロン、作業用の服装、ゴム手袋 |
塗装作業で汚れても良い服装を準備する。地肌に塗料が付かないようゴム手袋を着用する。 |
刷毛、ローラー |
使用する塗料のメーカーが推奨している道具を使用。 |
マスキングテープ、マスカー |
塗装の養生に使用する。細かい部分はマスキングテープを、広い部分はマスカーを使用。 |
紙やすり |
塗装前の汚れ落としに使用。 |
塗料 |
使用する塗料によって、必要なものを準備する。 |
タオル |
塗料が飛んだ場合の拭き取り用に準備する。 |
少なくとも上記のものはそろえておく必要があるため、事前に確認してください。
木製玄関ドアの塗装手順と長持ちさせるポイント
次に、木製玄関ドアの塗装手順と、塗装後に長持ちさせるポイントを紹介します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 掃除をする
- 養生する
- 研磨する
- 塗料をかく拌する
- 塗装する
- 乾燥させる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
掃除をする
最初に玄関ドアの掃除から始めます。木製玄関ドアに付着したホコリやチリなどを取り除きましょう。蜘蛛の巣がある場合も、箒で落としておいてください。
ドアの表面にゴミなどが付着したままでは、研磨作業の邪魔になる他、塗料がうまく塗装できない原因となるため注意しましょう。
養生する
玄関ドアの掃除が終わったら、養生を行います。
塗料を付着させたくない玄関ドアの周りはマスカーを使って養生しましょう。また、玄関ドアにガラスがはめてある場合は、塗装用マスキングテープも使って細かく養生してください。
玄関ドアにはドアノブや鍵穴もあります。塗料が付着しないよう、事前の準備を入念に行いましょう。
研磨する
養生が完了したら、木製玄関ドアの研磨を行います。
研磨とは、前回塗装した際の塗料の塗膜やニスなどを剥がすために必要です。塗膜やニスが残ったままでは塗料が付着・浸透せず、色ムラの原因となるため、玄関ドアの隅々まで研磨しなければなりません。
細工や仕上げが細かい玄関ドアの場合、研磨にかなりの時間が掛かるなど、骨の折れる作業になることを覚悟しておきましょう。基本的には紙やすりを使って研磨しますが、範囲が広い場合はサンダーを使うと研磨時間を短縮できます。
研磨作業が終わった後は、玄関ドアの表面や周辺に木粉が付着していますので、刷毛掛けや固く絞った雑巾での水拭きなどできれいに掃除しておきましょう。
塗料をかく拌する
研磨作業が終わったら、次に塗料をかく拌します。
塗料は放置しておくと成分が沈殿する場合があります。沈殿したまま使用すると色ムラの原因となるため、塗装作業前に入念にかく拌しておきましょう。
これで下準備は完了です。
塗装する
下準備が完了したら、いよいよ塗装作業です。
乾燥時間や塗装回数など、使用する塗料の塗装仕様通りに塗装しましょう。乾燥時間は塗料によって異なりますが、特に湿度が高い環境での塗装では、十分な乾燥時間を確保することが大切です。
乾燥させる
指定の塗装回数通りの塗装が完了したら、十分に乾燥させます。乾燥中に養生などを片付けておきましょう。
塗料が乾けば塗装は完了です。
まとめ
今回は木製玄関ドアの塗装を自分で行うための手順や塗料の種類などについて解説しました。
木製玄関ドアの色褪せや傷が目立ってきたり、爪で塗料が剥がれたりするような場合は、塗り直しのサインです。どのような雰囲気にしたいのか、色にしたいのかを考えて、最適な塗料を選んで塗装しましょう。
また、木製玄関ドアの塗装は事前の準備や作業前の下準備が重要です。塗装をきれいに仕上げるためにも、準備を怠らないようにしてください。
オスモ&エーデルでは、有害な化学物資を使用していない、植物油由来の木材保護塗料、オスモカラーを販売しています。木製玄関ドアの塗装にも使用できます。
さまざまなカラーがありますので、気になる方はぜひチェックしてください。
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