自然の木の温かみが感じられる無垢テーブルは、家族が集まるダイニングテーブルにおすすめのアイテムです。天然の木が持つ木目や複雑な造形など、無垢テーブルが持つ美しさは唯一無二です。
そのような無垢テーブルに仕上げの塗装を行うと、表面を染みや傷から守るなどさまざまなメリットがあります。無垢テーブルが持つ天然の木の美しさをより引き出し、長く愛用するには、仕上げの塗装方法の種類や方法、メリットやデメリットにこだわって選ぶのがおすすめです。
【この記事のまとめ】 |
・無垢材と集成材、突板材の違いとは? 天然の木を切り出して一枚の板に加工した物が無垢材、複数の木材を結合させて加工した物が集成材、薄くスライスしたシート状の木をベニヤ板などに貼り付けて加工した物が突板材です。 ・無垢テーブルに塗装を行う理由とは? 主に、塗料で無垢テーブルの表面を保護する「耐久性の向上」と、天然の木が持つ木目などを引き出す「美しさの向上」の2つの理由があります。 ・無垢テーブルの主な塗装方法とは? 無垢テーブルの表面を保護する主な塗装方法には「オイル塗装」と「ウレタン塗装」の2種類があります。 ・オイル塗装のメリットとデメリットは? 無垢テーブルにオイル塗装をするメリットは自然に近い状態の木の質感や風合いを残せることで、デメリットは、水や汚れに弱く定期的なメンテナンスが必要になる点です。 ・ウレタン塗装のメリットとデメリットは? 無垢テーブルにウレタン塗装をするメリットは水や汚れに強くなることで、デメリットは特有の光沢感や劣化時のメンテナンスの難しさです。 ・無垢テーブルにおすすめの塗装方法は? 無垢テーブルが持つ自然の木の特長や質感を生かすにはオイル塗装をおすすめします。オイル塗装の塗料は自然由来の成分からできているため、自然にも人体にも優しい塗料です。 ・オイル塗装を行った無垢テーブルのメンテナンスとは? 無垢テーブルの上に濡れたコップなどを放置した際にできる輪染み、重い物を落としたときにできる凹み、引っ掻いたときにできる傷などは簡単なメンテナンスで直せます。 |
目次
無垢材と集成材、突板材の違い
無垢材と集成材や突板材にはそれぞれ大きな違いがあります。
無垢材とは天然の木を一枚の板に加工した物です。天然の木が持つ自然な風合いや質感が楽しめるなど、ナチュラルな雰囲気が人気です。天然の木を切り出しているため、木材の中でも比較的高い値段で流通しています。
無垢材が持つ特徴の一つに、天然の木が持つ「調湿機能(この後すべて調湿作用→調湿機能に修正してください)」があります。調湿機能とは、木が空気中の湿気を一定に保とうとして水分を吸収したり放出したりする働きです。この働きによって木が膨張と収縮を繰り返すため、無垢材の表面に変形や反りが生じることがあります。
集成材は、複数の木材を結合させて作った加工木材です。木材をつなぎ合わせているので強度にばらつきがなく、調湿機能による変形や反り、ひび割れなどを防げます。無垢材に比べると安価で手に入りやすく、サイズや種類も豊富で加工がしやすいのでDIYにもおすすめです。
突板材は、薄くシート状にスライスした木をベニヤ板やMDFボード(中質繊維板)などに貼り重ねた加工木材です。無垢材や集成材に比べるとさらに安価で手に入ります。突板材は変形や反り、ひび割れなどが起こりにくく加工しやすいのが特徴です。
無垢テーブルに塗装を行う理由
無垢材を用いた無垢テーブルに塗装を行う主な理由は「耐久性の向上」と「美しさの向上」の2つです。
天然の木を加工して作られている無垢テーブルは、塗装を行わない状態で使用すると傷や汚れ、染みなどのトラブルが起こりやすくなります。そのため、表面に塗装を行い保護するとテーブルの耐久性が上がり、長く愛用できます。
また、無垢テーブルを塗装すると塗料が木に染み込んで木目の模様が際立ち、美しさをさらに引き出すことも可能です。
無垢テーブルへの主な塗装方法
無垢テーブルの耐久性を上げつつ美しさを引き出すには、どのような塗装方法があるのでしょうか。ここでは無垢テーブルの主な塗装方法を2つ紹介します。
オイル塗装
無垢テーブルの塗装方法の一つに、オイル塗装があります。
オイル塗装とは、植物由来のオイルやワックスを無垢材に染み込ませて木の表面を保護する方法です。オイルフィニッシュとも呼ばれるこの方法は、無垢テーブルの美しさを存分に生かせる塗装方法です。
ウレタン塗装
無垢テーブルの塗装方法には、ウレタン塗装もあります。
ウレタン塗装の正式名称は「ポリウレタン樹脂塗装」で、ウレタンフィニッシュとも呼ばれています。ウレタン樹脂を使用して無垢テーブルの表面を保護する、現代的な家具塗装の方法の一つです。自然な木の質感は失われがちですが、表面の保護力が高い塗装方法です。
塗装方法の選び方
無垢テーブルの塗装を決める際は、どのようなポイントに着目して塗装方法を選ぶと良いのでしょうか。ここではそれぞれの塗装方法のメリットと注意点を紹介します。
オイル塗装のメリット
無垢テーブルにオイル塗装をするメリットは、自然に近い状態の木の質感や風合いを残せることです。
天然の木は樹種ごとに香りや木目、色や質感が異なります。オイル塗装の仕上がりは木の表面に膜を作らないため、表面がさらさらして木の質感を損ないません。また調湿機能を妨げず、自然に近い状態を長く保てます。年月をかけて無垢テーブルの色や質感が変化していく「経年変化」を楽しめるのも味わいの一つです。
一般的にオイル塗装は植物由来のオイルやワックスをベースとした塗料を使うため、無垢テーブルの表面の油分を補いながら優しく保護をします。子どもやペットがいる家庭でも使用しやすいでしょう。
オイル塗装の注意点
無垢テーブルにオイル塗装をする際、水や汚れに弱く定期的なメンテナンスが必要な点に注意が必要です。
前述の通り、オイル塗装は自然由来のオイルやワックスがベースになっている塗料を使います。無垢テーブルに塗料をゆっくり染み込ませて木の表面を保護しているため、その上に長時間水や汚れを放置すると染みになりやすいので注意が必要です。またオイル塗装をした無垢テーブルの表面の油分は、時間が経つと抜けていくため、定期的な塗料の塗り直しが必要なことも覚えておきましょう。
オイル塗装をしたテーブルを染みなどの汚れから守るには、普段からコースターやランチョンマットなどを使って、食器がテーブルに直接触れないようにするなどの対策が効果的です。
ウレタン塗装のメリット
無垢テーブルにウレタン塗装をするメリットは、水や汚れに強くなることです。
無垢テーブルの表面を硬い樹脂で保護するウレタン塗装は、表面がツルツルした質感に変化するので水分や汚れが木に染み込みにくくなります。飲み物をこぼしたりぬれたコップを置きっぱなしにしたりしても汚れや染みの心配が減るため、小さい子どもがいる家庭などではメリットが大きいでしょう。
またウレタン塗装をすると湿度や乾燥などの環境変化にも強く、定期的なメンテナンスをしなくても長期間使用できるのも良いポイントです。
ウレタン塗装の注意点
ウレタン塗装の注意点は、特有の光沢感や劣化時のメンテナンスの難しさです。
ウレタン塗装の塗料はオイル塗装に比べると独特なツヤやプラスチックのような硬さがあるため、自然な木の質感を大切にしたい方にはおすすめできません。
またテーブルに付いた傷や塗料の劣化をメンテナンスする際は、専用の塗装工具や場所を持つ専門の業者に依頼する必要があるので、手間がかかります。ウレタン塗料を再塗装するには、古い塗装を全てはがす必要があり、再塗装を伴うメンテナンスはコストも時間もかかってしまうので注意が必要です。
オイル塗装・ウレタン塗装のどちらが良い?
ここまでオイル塗装とウレタン塗装のメリットと注意点を見てきました。無垢テーブルが持つ天然の木の良さを楽しみたい方は、オイル塗装がおすすめです。
オイル塗料は前述の通り植物由来の塗料を使うので人体にも環境にも優しく、お気に入りの家具をメンテナンスしながら長く愛用していきたい方に向いています。定期的に自分で塗料を塗り直せば、経年変化で味のあるテーブルへと変化していくでしょう。
無垢テーブルのメンテナンス方法
塗料の塗り直し以外にも、染みや凹み、傷ができた際に対応しやすいのがオイル塗装の強みです。ここでは、オイル塗装で仕上げた無垢テーブルのメンテナンス方法を3つ紹介します。
輪染みが付いたとき
オイル塗装で仕上げた無垢テーブルの上にぬれたコップなどを放置すると、テーブルに水分が染み込んで「輪染み」ができてしまいます。輪染みはテーブルの見た目に影響してしまうため、10〜30分程度のメンテナンスで消していきましょう。
サンドペーパー、ウエスなどの柔らかい乾いた布、オイルを用意したら、まずはテーブル全体を荒い目のサンドペーパーで研磨していきます。このとき、輪染みのある部分だけを研磨すると色ムラの原因になってしまうので、全体を研磨するようにします。均等な力を加えながら木目に沿ってこするのがポイントです。
次に、細かい目のサンドペーパーに持ち替え、テーブルの表面が滑らかになるように仕上げていきます。全体が滑らかになったら、ウエスなどの布にオイルを染み込ませ、テーブルの木目に沿って薄く伸ばしながら塗り込んでいきましょう。最後に乾拭きで余分なオイルを拭き取ったら完成です。
テーブルの表面に付いた傷の深さによってメンテナンスにかかる時間は異なりますが、20〜30分程度で簡単に直せます。
まず、輪染みのときと同じ方法で荒い目のサンドペーパーを使って傷の周りを研磨します。次に、傷が目立ちにくくなったら、細かい目のサンドペーパーに持ち替えてテーブル全体を研磨していきましょう。このとき、木目に沿って均等な力を加えながら研磨するのがポイントです。
テーブル全体をきれいに研磨できたら、ウエスなどの布に染み込ませたオイルを薄く塗り込んで仕上げます。まんべんなくオイルを塗り込んだら、最後に余分なオイルを乾拭きして拭き取れば完成です。
まとめ
天然の木の魅力が詰まった無垢テーブルは、オイル塗装で表面を優しく保護するのがおすすめです。自然由来の塗料で定期的にお手入れを行うと無垢テーブルへの愛着が増し、経年変化を味わいながら長く楽しめます。
無垢テーブルの定期的なメンテナンスに使える環境にも人体にも優しいオイル塗料を探している方には、オスモ&エーデルの「オスモカラーカウンタートップオイル」をおすすめします。
オスモカラーカウンタートップオイルは、無垢テーブルやカウンター天板塗装用に開発されたオイル塗料です。この塗料を使ってメンテナンスを行うと、天板のはっ水性や防汚性を上げて染みを付きにくくする効果があります。また、オスモカラーカウンタートップオイルはヨーロッパ食品安全基準EN1186に合格しているオイル塗料です。そのため、ダイニングテーブルやキッチンカウンターなどの塗装や小さい子どもなどに配慮したい場合にもおすすめです。
カウンタートップオイルは3分つや、5分つや、つや消しと好みに合わせて仕上がりのつやのタイプを選ぶことも可能です。部屋の雰囲気や好きな見た目に合わせたオイルを選んで、お気に入りの無垢テーブルのメンテナンスを行いましょう。