ドイツ ミュンヘンでご活躍されている、建築家John Höpfner氏にご自身で設計された建築を3件ご紹介いただきました。
最初は、見た目もビックリ!これが住まい??というマイクロコンパクトホームです。
背後のアパート、前に止めている車の大きさからわかるとおり、とても小さな立方体型住居です。
一辺は、2.6mほどしかありません。
一見ただのプレハブ小屋にも見えてしまいますが、そこはドイツ。
さまざまな設計上の工夫が詰まっており、部屋では快適に過ごせます。
Höpfner氏によると、部屋は、ダンスが出来るくらいコンパクトに、机やベッドを収納できるようになっているそうです。
前日に降った雪が残る中、屋外でのお話は皆寒そうです。
電気、水道などのライフラインは一つの管に集約され各戸に供給。
建築資材の使用量も少ないとても考えられた建築でした。
小さいがゆえにエネルギー効率もとても良いです。
中を視察する事は叶いませんでしたので、こちらは一般公開されている写真です。
とても注目を集めたプロジェクトだったため、竣工後見学者が多く、実際に住む学生さんに配慮し、内部の見学は行われなくなったとのこと。
とても残念でした。
2件目は、ガラス張りの洗車場です。
こちらも、見た目のインパクトがある建築です。
日本の洗車機は、洗車機が動きますが、ここドイツでは、車のほうが動きます。
なんと、建物の全長は55mもありました。
外装がガラス張りになっている為、外からも中の様子が見えるのはもちろん、脇に充分人が歩ける広さの通路が設けてあり、ゆったり歩きながら徐々にきれいになっていく自分の車を眺めることも可能です。
「この全体がガラスのみで覆われた建築物は、地域の強い関心を集めました。
予想よりも集客も多く、施主にとって大成功となりました。
多くの賞を受賞し、同様の建物のロールモデルとなっています。」とHöpfner氏が我々に教えてくれました。
最後は教会。
まずは、教会の前にある空間にご注目ください。
雪で覆われ解りにくいですが、広場になっています。
広場は、すべての人がくつろげる場所であるとともに、祈りの準備をする場所になっていて大切なスペースだそうです。
教会と広場の間には雪で覆われていますが水盤があり、十字架が建っています。
水盤がある事で、俗世と聖地を分ける意味もあるようです。
入り口は意図的に暗くしてあります。
入り口から徐々に光が差し込む礼拝堂へと向かう建物の配置となっています。
闇から光へと向かっていくのは、キリスト教の考え方に沿うものです。
外も内もしっくいの壁で出来ており、様々な光が反射するようになっています。
何度も何度も丁寧に磨き上げられており、触るとツルツルです。
中は音響にも配慮され壁がよーく見ると内側に曲がっていました。
写真では解りにくいです。
使われている木は、全てオーク材。
オークは、ヨーロッパでは森の王様と呼ばれ親しまれています。
わざわざフランスから取り寄せたパイプオルガン。
長く隣国ではあっても戦いが続いたドイツとフランス。
平和の象徴としてフランスから取り寄せたとのことです。
床はパイプが埋め込まれており、地下水で温度を一定に保ちます。
断熱もしっかりしてあり、太陽光パネルも設置しているこの建物は、なんとゼロエミッションビルディングだそうです!
天井と壁に空けられた丸穴から光が差し込んでいます。
記念撮影後、真摯に建築に向き合うJohn Höpfner氏とお別れ。
静かな口調の中にも熱い建築家の想いを我々参加者全員が感じました。