COLUMN

オスモカラー オスモフローリング ヴァレーマ

【木造のオフィスや中規模建築の可能性について考える】 木造住宅のプロフェッショナルが建設した、木造2階建ての新社屋について、お話をうかがいました。

茨城県で、無垢の木と自然素材でつくる木造注文住宅を手掛けられている、株式会社棟匠。
この度、社屋を移転、木造2階建ての新社屋を建設されました。
建設の経緯やお考えになられたこと、新社屋へのこだわりや工夫されたことなど、社長の石川様にお話をうかがいました。

①新社屋外観画像

水戸インター近くの幹線道路沿いを走っていると、杉材の外壁とルーバー、そして、ロイヤルブルーのサイディングのコントラストがスタイリッシュな印象を与える新社屋の外観が目に飛び込んできます。

建物の中に入ると、ヒノキのいい香りがして、無垢の木を使った住宅を手掛ける棟匠さんらしい世界に一気に入り込めます。

②石川社長画像

本社移転、新社屋建設にあたって、お考えになられたことを教えてください。

まず、もともと旧社屋は水戸駅近くの泉町にあり、鉄骨造で築40年、老朽化が進んでいるという課題がありました。
今のタイミングですと、まだ、旧社屋を生かしてリノベーションをするという案もありましたが、事業継承のことを考えると、いずれまた次の若い世代が同じ課題に直面することになります。
そういったことを考えると、このタイミングで新しく社屋を建設する方がよいのではないか考えました。

続いて、新しくするとなった時に、以前の場所で建て替えをするか、場所を移転するかという選択がありました。
茨城県は車社会ですので、インターが近いほうが、お客様にとっても社員にとっても利便性が高い。
お客様にもお越しいただきやすいこちらの場所に移転すれば、1階はお客様とのお打合せスペースにして、2階を本社機能にすることができます。
また、この場所には、もともと水戸支店とグループ会社がありましたので、ここに本社をドッキングさせた方が、業務効率化もはかれます。
働き方改革の流れの中で、社員が通勤しやすいこと、業務効率化も推し進めたいという想いもありました。

また、移転にあたっては、建物自体(ハード面)を良くしたいというのはもちろんなんですが、社内のシステムなどソフト面も一新して、会社としての全体的な効率化をはかろうということも計画しました。

お客様のこと、世の中の流れ、社員のこと、事業継承という将来のこと、こういったいろいろな要素を鑑みて、2019年のこのタイミングで、この場所に本社を移転し、新社屋を建設しようという結論に至りました。

当初から木造で建設されるというお考えではなかったというお話もお聞きしたのですが・・・

そうなんです。
当初は鉄骨造の3階建てを予定していました。
ただし、いまひとつピンとこないなと思いながら、間取りなどを具体的に詰めていくうちに、木造で建設できるんじゃないかと。
躯体が木造になると決まれば、一気に私たちが本領発揮できることになりました。
構造には、実際の住宅の物件で使用する部材が使われているわけですから、お客様にもご覧になっていただけて、わかりやすい。
通常お客様にご提案している、外張り断熱でつくり、太陽光パネルをのせて、省エネ建築で建てています。
さらに、効果的に日射遮蔽をするために、ヴァレーマの外付けブラインドを採用しました。

③ヴァレーマの側からの外観

東面と南面にヴァレーマをつけていただいています。
実際につけていただいて、効果を感じている、採用してよかったとおっしゃっていただきました。

新社屋の建物やインテリアデザインに関して何かこだわった点があれば教えてください。

こだわりというか、とにかくこの建物は、普段から「棟匠の家」でやっていることをそのままやっています。
全館空調で、温度も湿度も年間通して一定です。

今回、エントランス部分からお客様との商談スペース部分に、オスモのオーク無垢フローリングをご採用いただきました。無垢材の特徴として、温度湿度の変化による膨張と収縮があることを通常どおりご説明したのですが、「うちの建物は温度も湿度も年間通して一定だからあまり心配していないよ」というお話をいただいたのが印象的でした。

そうですね。
温度も湿度も年間通して一定ですから、よくお客様にも「棟匠の家」に入るとさわやかな感じがするとおっしゃっていただきます。
その普段の棟匠の家づくりでやっていることをそのままやるということで建築しました。

④商談スペースのオスモフローリング

「棟匠の家」の床は、通常、オスモカラー塗装された、自社のヒノキの無垢フローリングですが、新社屋の商談スペースは土足ということもあり、硬い木であるオスモのオークフローリングをご採用いただきました。

それ以外のこだわりでいうと、打ち合わせルームが12部屋あるのですが、すべて、インテリアが異なっています。
お客様は、家づくりのお打合せのために何度もご来社されるので、その度に、気分を変えていただけるように。
赤ちゃんがご一緒のご家族でもくつろげるように和室でほりごたつのお部屋や二世帯同居など大家族の方でもお打合せできるように広めのお部屋などもあります。

⑤和室の打ち合わせルーム

⑥広めの打ち合わせルーム

オスモカラーのサンプルも置いていただいていました。

まだまだ、木造の社屋や中規模以上の建築は少ないと思いますが、今回、社屋を木造で建設されて、住宅を建設される時とは異なる、中規模建築ならではの障害となること、難しさなどはありましたか?

基本的には、障害や難しい点というのは、そんなになかったと思います。
あるとすれば、住宅を建築する時と違うこととして、建築の規模が大きくなる分、実際に現場で施工していただく職人さんの人数が多くなるので、大人数で施工していただける方たちとお仕事させていただくことになるという点くらいでしょうか。

今、鉄骨造で建築しようとするとコストがかかるので、木造の方がコストも抑えられますし、減価償却が早いというメリットもあります。

改めて、こちらにお邪魔して、外観を拝見した時の印象に戻りますが、この建物の規模で木造ですとお聞きすると、ちょっとビックリしますね。

やっぱりそうですか?確かに、こちらにいらっしゃるいろいろな方にも、驚かれます。
みなさん、木造というと、いわゆる昔ながらの木造校舎の学校のようなものをイメージされているようなんですが、木造だからといって、あまり木をたくさん使用するとちょっとうるさすぎてしまうので、さりげなく木を使って、「さらっと木造です」という感じになるようには意識しました。

木造ときいてうかがったので、もっと、木が全面に押し出されていて、木が多用されているものをイメージしたのですが、そうではなくて、木という素材とそれ以外の素材とのバランスがちょうどよいので、いかにも木造という感じにならないんですね。

あと、家具や建具も自社のオリジナルのもので、「棟匠の家」に実際に使われているものです。

⑦オリジナル建具1

⑧オリジナル建具2

⑨オリジナル建具3

オリジナル建具はヒノキ材。オスモカラークリアー仕上げです。黒いSTAFFONLYの文字とヒノキ材とのコントラストがいい感じです。

棟匠さんは、もともとは、林産という会社で、長年、林業に携わってこられたという歴史があるわけですが、その辺りのお話もお聞かせください。

「棟匠の家」で使う木材は、地元の八溝山のヒノキと杉です。
林業も、農業や漁業と同じで、自然相手のものです。
山の状況は常に変化し、手に入れられる木材の状況も変化するわけですが、それに合わせて、その時最も良い木材を、棟匠のお客様にはご提供できます。
また、木材も、野菜や魚と一緒で、流通する距離が長ければ長いほど、品質が落ちていきます。
私たちは、木材の生産の現場がすぐそばにあるわけですから、そういう意味でも、良い状態の木材をお客様の家づくりに使っていただけます。
さらに、一つの生産工場から出てくる木材は、一定の品質基準に基づいて生産されたものなので、自然素材といえども、一定の品質以上のものになります。
その意味でも、品質が安定した本当に良いものをお客様にご提供できているという実感があり、このことは大きな強みだと思っています。

ここ数年、日本でも大雨や台風による大きな被害が各地で出ていたり、アマゾンの森の火事の問題など、日本でも世界でも、地球の悲鳴のようなものを感じることが多発していますが、林業と製材に携わられていて、山や森に対して何かお考えになることはありますか。

山や森と木を使うこととの関係というのは、需給バランスなので、今、日本の森の木は伐採期をむかえていますから、切らないといけない状態です。
日本では、木材を消費をしていく必要があると思います。
管理している八溝の山についても、計画的なサイクルで社員と一緒に植樹をしています。
どんどん木を伐採しても、消費するという出口がなければだめなので、そういう意味では、木材を計画的に消費して、需給バランスをとっていくことが大事だと思っています。
木材の生産から消費までのサイクルのすべてに関わっている会社というのは珍しいかもしれませんね。
木材の消費から遡って、生産までを、効率的に管理する仕組みづくりをしています。
良いものをお客様に提供することも1ページ、
企業として、効率的に継続していく仕組みづくりも2ページ、
その両輪が必要だと思っています。

良いものだけつくっていても、企業は継続しないですからね。
そのバランスが難しいと思います。

棟匠さんは、無垢の木や自然素材を使うということだけでなく、性能面でも高性能の住宅を手掛けられていますよね。それも今お話されたお考えと関係がありますか?

例えば、プリウスを購入する人は、プリウスが環境に配慮したものであるという点以上に燃費がいいから選ばれているんじゃないかと思うんですよね。
だとしたら、住宅の性能も高くして、ランニングコストがかからない、尚且つ、いい空気環境の家に住めればハッピーじゃないかと。
健康で快適で、効率のいい家というのは魅力的ですよね。
さらに、性能の良い家にすれば、湿度が一定なので、無垢材を使っても、狂いが出にくいということもあります。

最後に、建物全体を見学させていただきました。
2階のオフィスは、木の天井・柱・梁が現しになっていて、より木造らしさが感じられます。
1階とまた違った雰囲気で、この環境でお仕事できる社員のみなさんうらやましいです。

⑩2階オフィス1

⑪2階オフィス2

⑫ヴァレーマの画像

⑬棟匠さんオリジナルマグカップ

無垢材を使用して、木の素地を生かすため、クリアー塗装で仕上げられているので、オリジナルマグカップは敢えてカラフルにしているそう。

⑭井戸

「水があるところに人は集まる」ということで、外には水鉢があり、ステキでした。

今回、木造2階建ての社屋を建設された棟匠さんにお話をうかがって、今後、木造のオフィスビルや施設などの建築が増えていくであろうという、中規模以上の木造建築の可能性を考える機会となりました。
そこには、その空間で働く人、過ごす人にとっての健康や快適性、日本の山や森、林業との関係性、いろいろな意味合いがあると思います。
こちらを読んでいただいたみなさんにとっても何かお考えいただくきっかけとなりましたら幸いです。

株式会社棟匠のHPはこちら
https://www.kk-tosho.co.jp/

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