Column

木工作家ではなく、木工の伝道者を目指す。
今、話題の木工家具工房「Natural Backyard」足立さんへのインタビュー。

Natural Backyardさん

兵庫県篠山市で木工子ども玩具を作っているNatural Backyardさん。
自然塗料オスモカラーを使ったハンドメイドの木のおもちゃは素朴で温もりがあると評判です。
篠山にあるお店では可愛らしい木の雑貨や食器を求めて連日沢山の若い女性が訪れています。
DIY好きの方には今ちょっと話題のお店なんですね。
今回はそんなNatural Backyard代表、足立さんにお話を伺いました。

木工を始めたきっかけはとある木工作家の横柄な態度だった。

私の子どもが2歳の時、一緒に近所の公園に遊びに行くと即売のクラフト展が開催されてたんです。
そこに乗り物の木のおもちゃが展示されいて、当然子どもは興味津々、その乗り物に乗ろうとするのですが展示主の作家さんの愛想が悪く、当時の私には「買う気がないのなら触るな」と言う態度に見えたのです。
たしかに3万円近いおもちゃだったので、子どもが遊んで傷でもつけたらいけないとは思う。
ぶらっと公園に遊びに来た親子が3万円のおもちゃを買って帰る可能性は少ないかもしれない。
で、私はちょっとカチンと来ましてね。思わず買ってやろうかとも思ったぐらいですよ。
その時でした木のおもちゃって子どもにとてもいいのではって。
自分でも作れそうだったので見よう見まねで作ったのが木工の始まりです。
決して木工を学んだ訳ではなく、きっかけはお父さんが子どものために作る趣味の木工だったんです。

足立さんが初めて作った木のおもちゃ

足立さんが初めて作った木のおもちゃ。

トラック運転手から脱サラ。木工を生業とする決意。

木工を生業とする決意をする

私がトラックの運転手をしている当時、休日の趣味程度に木のおもちゃを作ってました。
近所で息子が遊んでいる木のおもちゃが話題になりましてね。
隣の家のお子さんやお母さんも欲しいと言ってくれたんです。
うれしくてね「こんなので良ければ作りますよ!」って言って。
そして、どんどん木のおもちゃの話題が広がり、小さなハンドメイド展などにも出展をするようになりました。
そこでお客様からオーダーをいただくのですが、もう休日だけでは生産が追い付かないんですよ。
どうしたものかと考えた末、木工を生業にしようと決めたんです。
2009年当時はトラック業界も仕事単価が減ってましたしね。

オスモカラーを使う理由は、オスモカラー以外は考えられないから。

種類の多い自然塗料オスモカラー

自然塗料オスモカラーを知ったのは三田への引っ越しがきっかけです。
子どもが喘息だったので、自然環境に恵まれた地で暮らすため実家のある三田に移りました。
そのため古い実家をリフォームすることとなりましたが、当然、住まいや身の回りのものは体に良いものしか使いたくない。
以前は建築業界で防水工事作業をしていた事もあり、自分でリフォームするつもりで情報収集をしていました。
その時にオスモカラーを知ったんです。
家族が全員アレルギー体質という事もあって自然素材に関心が高かったんですね。
早速、本社に行って説明を聞いて2.5L缶を購入したんです。
用途は違えど私も防水工事業として防水塗料を扱った経験があり、塗料の知識はそれなりにあります。
正直高いという印象はありましたよ。
当時の感覚としてはホームセンターで買う塗料と比較していましたから。
でも、塗ってみて伸びの良さにびっくりしたんです。
固いけれども、きっちり伸ばせばびっくりするほど伸びてくれるんです。
ようするに正しい塗り方をすれば化学合成塗料と比べれても見劣りしない価格ないんですよね。
平米単価でわずか100円、200円高いからって健康を犠牲にするなんてナンセンスでしょ。
一生住む家なので値段的に手が届くのなら自然や人にやさしいものを選ぶべきだと僕は思っています。

自然思考で人にやさしく、それがNatural Backyard。

篠山市で行われているイベント「ささやマルシェ」

篠山に店を出すきっかけとなったのが篠山市で行われているイベント「ささやマルシェ」に招待された事。
「ささやマルシェ」を訪れるお客様の温かさに触れ、改めて篠山を見直すきっかけになったんです。
ゆったりとした篠山の生活や伝統文化が大切に継承されていることを知ると、この地がNatural Backyardに相応しいと思いました。それまでは三田のイオンとか集客のあるエリアを考えていたんですけけどね。

なぜ子ども向けのワークショップに力を注ぐのか。

子ども向けのワークショップを語る足立さん

Natural Backyardでは子ども向けのワークショップを頻繁に行っていますが、きっかけは幼児教育の勉強をしている人がうちでアルバイトをしていて、木を削る体験をしてみたらって提案があったんです。
展示会で展示の傍ら木を削る体験をしてみたところ、子どもが非常に楽しそうに木を削るんですよね。
そこから子ども向けの木工キットを作って、ワークショップを本格的に始めるようになったんです。
私たちのワークショップのメニューの一つに「端材のおもちゃ作り」というのがありますが、これはベースキットとなるタイヤだけを子どもに配るんです。
後は端材を使って組立ていく。
すると子どもは何を作りたいのかを考える。
そして周りの親や大人に自分の作りたいものを伝える事が必要になります。
相談をし、アドバイスをもらわなければいけません。
今度は部品探しです。時には木を切断する必要があるかもしれません。
その場合は出来る人にどのように切断をしたいのかお願いをする必要があります。
それでやっと自分が作りたいと思ったものが形になる。
これって実社会で必要不可欠な力が全て盛り込まれた作業なんですよね。

子ども向けのワークショップで作られた作品

そしてこのワークショップでは私たちは絶対に手を出さないという取り決めがあります。
私たちの手が空いていてもお父さん、お母さんに手伝ってもらうようにする。
それには理由があって、親は「ノコギリは危ないから触っちゃいけない」と教えるのですが、ではノコギリがどう危ないのかって事は簡単に説明が出来ないんですよね。
だって親もノコギリを使った事がないんですから。
これって子どもに制限を設けることで子どもの可能性が阻害されていると思うのです。
親も一緒になって作業することで、その後家族で木工にはまったなんて事も耳にしますし、今の社会において親子が共同作業で学ぶ事はとても重要だと感じています。
このワークショップは好評で昨年は累計5000人の参加者となりました。

オスモカラーは初心者向けのワークショップでも力を発揮する。

オスモカラーのメリットを語る

少数のワークショップではオスモカラーで色付け仕上げまでしていただきます。
その際にほとんどの参加者が言われるまで気付かない事がありまして。
「今、屋内で塗料を塗っていますが気分は悪くならないですか?」と。
そこで初めてオスモカラーは塗料なのに臭わない事に気付くんですね。
楽しい木工であるはずなのに塗料の臭いで頭がいたくなった。
なんて苦い経験で木工嫌いになると残念ですからね。
また、オスモカラーは正しく使えば初心者でも塗りやすく、仕上がりがきれいなんです。
塗膜型塗料だと粘度を上手く調整しないと刷毛ムラが出たり、垂れが出たりします。
でもオスモカラーだと木に浸透するのでムラが出れば布などで拭き取れば何度でも塗り直せますから。
初めて塗料を扱う人でも上手に仕上げる事が出来る。これはオスモカラーの最大のメリットです。

僕は木工作家ではなく、木工の伝道者になりたいのです。

木工作品

これから育つ子どもたちのために木という資源の活用を広めていきたいと考えています。
木製品ってプラスチック製品と比べて高価なイメージがあると思うのですが、もっと身近な資源として感じて欲しい。
だからNatural Backyardでは出来るだけ手の届く価格に拘っています。
例えばビスの頭の隠し処理をしないことをスタンダードとしたり。
これって木工業界からすればありえない事なんです。
美しく仕上げる事よりも木という資源を活用してほしいのです。
身近に木材という素晴らしい資源があるのにも関わらず、あえて石油製品であるプラスチックを使う必要はないでしょう。僕はそこに社会のジレンマを感じています。
より多くの世帯が木を使って自分で家具を作る事が出来れば、木材の消費量を画期的に増やすこととなるでしょう。
私はそのきっかけづくりをしたいのです。
ですから私は自分の木工作品を使って欲しいというよりは、こんなに簡単だからみんな自分で同じものを作って欲しいという気持ちですね。
洗練されたものでなく、本当の手作りの味わいのほうが面白いですからね。

まとめ

暖かな人柄が顔ににじみ出ている足立さん

その人柄が顔ににじみ出ている足立さん。
素朴な風合いの作品にも足立さんの人柄が現れています。
木のぬくもり、手作りのぬくもりを改めて見直したいという気持ちになるお店Natural Backyardさん。
みなさんもぜひ訪れてみてください。
暖かいスタッフが魅力のお店です。

 

 

Natural Backyard内装Natural Backyard
兵庫県 篠山市二階町89-1
電話番号 079-552-7222
営業時間   11:00 ~ 17:00
定休日      火・水・木 (祝祭日・繁忙期・製作がない日は営業)
http://naturalbackyard.jp/

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